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第9話 「青翠の蝶々」と「生命の墓石」

 季節風がたまたま落とした林檎と、そんな林檎がもう木の枝に戻ることはない不可逆的な世界。波乱へと至る答えのない現実。先へと導いていく濡れたままの題名。


「少しだけさここで1人で待てるかな月葉ちゃん? パパリアンは行きたいところがあるからさ? あの曲がり角の先の教会に行ってきたらすぐ戻ってくるね?」


「……パパリアンは大丈夫なの?」


「パパリアンは大丈夫だよ。ーーまぁたぶんだけどね?」


 ありのままに青年を導いて行く蝶々の群れが青翠を舞って、そうしてみえた忘れられない冷たい風景に、迷い人の揺れる非現実的な流れ。傷つきやすさに陶酔させられていく静かに止まったままの証人。錯綜する思考から届けられてくる印象。追い払えない未来の眩惑するほどのトリック。偽りに満ちたままの芸術のような光と闇。教会の墓石となった首吊りの少女たちと行方不明のままの生命の調和。

  

「……。……。……。……なんだこれは……。……。……。……」

 

【この世界の誰よりも親愛なる血のなき神の子へ。呪われた花束を君に贈ろう】

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