7話 ふたりきり
そして次の日
「ありさは次どんな曲がいいとかある?」
「え、えっと……この前のバンド良かったかな」
「あー。それ俺も好きなんだよね、あのギターソロもいいし、ドラムもかっこいいしな!」
「そうだね」
私は返事をする事で精一杯
だって肩がふれそうなくらい隣にいるのは
省吾だから
静かな資料用部室。
ここにはたくさんの楽譜や楽器がしまってあった
何でこんな事になっているかというと恵の計らい
この前話してた事を覚えてくれて二人になるきっかけを作ってくれたのだ。
正直目も合わせられない
恥ずかしすぎて楽譜を見ながらたまに省吾を見る
真剣に楽譜を見て悩んでる横顔を見てるだけで
とてもドキドキする。しかも今までにない近さ。
なにを話せばいいのか分からない
どうしようと悩んでいると
「実はさ話があるんだ」
急な話にドキドキしながら
「どうしたの?」と聞くと省吾は少し悲しげな顔をして
「実は恵が嫌がらせを受けてるんだ」
話の内容を聞くとノートが破られて捨てられてたり、
物が隠されたりされているらしい。
「そんなこと誰がするんだろう、本当に酷いね」
「そうだな、最低だよな…」
「私も協力するから犯人見つけよう」
「ありがとう、ありさ」
同じバンドのメンバーとしても、友達としても
恵の力になりたいので省吾に協力してその犯人を
つきとめることにした。