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5話 ひとりぼっち



あれから少しして帰宅した。


「ただいま」

つぶやいてみるもやはり返事がない


物音一つしない家の中。

やっぱり両親はまだ仕事のようだ


物心ついた頃から共働きなのでこんなのは日常

帰ってくるのは深夜や夜明けだし、

学校に行く頃には寝ているのでそんなに話もしない

正直門限がないから楽でもあるし、寂しいのもある


それを紛らわすのは…


「はーい!ハルだよ!みんな今日も宜しくね!」

・ハルたんやほー!

・わこつー

・今日は何配信なの?

・ハルちゃん今日も可愛いー!


パソコンの画面がみるみるコメントで埋まる


そう……これは

今流行りのネット配信ってやつ。


ネット内なら皆私をちやほやしてくれるし、

リアルのように変に顔色を気にしなくていい、

そしてなにより素の自分を出せるのが楽だった


「今日も閲覧30名様ありがとうっ

みーんなゆっくりしてってね。」

人数もそこそこ集まっていてテンションも上がる


ここの皆とは配信以外でもゲームしたり、電話したりする仲で特に仲がいいのは三人ほどいる。

中には自分にプレゼントをしてくれる人までいる


自分で言うのもあれだけど人気者の立ち位置

ネットの世界では自分に少し自信が持てた


だからここが好き。


今日はなんの話をしようか考えていると

とあるコメントがリスナーからきた


・「人魚姫のナイフ」やつが流行ってるけど知ってる?


人魚姫のナイフ……?聞いたことがない


・それ知ってる!今都市伝説みたいな感じでうちの友達も言ってたよー


「初めて聞いたよ。良かったらみんな教えて」

私の一言でコメント欄が「人魚姫のナイフ」で埋まる


要するにおとぎ話の人魚姫のナイフの話らしい

王子を殺すか自分の命を絶つかという選択を

しなくちゃいけないという時に持っていたナイフ


それを手にする方法があるらしい

1 古い大きな鏡を用意する

2 自分の血で鏡に星を書く

3 そしてその星に右手を重ねる


そしてナイフは特別な力を持っているらしい

噂によると願いが叶うなど曖昧なものばかりだ


正直嘘っぽい。

誰もそのナイフを手にしたという人は居ない

証拠は何一つない

きっと誰かの作り話でしょ。

そんな事をぼんやり考えながら話していたらもう2時間も経っていたので配信を終わらせる


パソコンを閉じて布団に潜るとふかふかして

とても気持ちがいい。うとうとしてくる。


今日もまた散々だったなぁ

でも恵と買い物楽しみだな

そんな事を考えながら私は今日も眠りについた




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