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4話 突然の誘い

「おかしいな…」

いくら探してもない。さっきまではあったのに

バッグの中を探ってもどこにも見当たらない


「ねえ、ありさちゃん。お探し物はこれかな?」

振り向くと恵が音叉を持って立っていた


「ありがとう。助かったよ」

無事に自分の音叉を受け取りケースに入れる

これで一安心だ。


「どういたしまして♪」

そう言いにこっと笑う彼女はとても眩しかった


無くしものも見つかったし帰ろうと鞄を持ち上げると

また声をかけられた


「良かったら一緒に帰らない?」

「へ……?うん、いいよ。」


まさかの誘いにびっくりしつつも恵の誘いを承諾する

もちろん仲が悪い訳じゃない。


同じバンドのメンバーだし、皆でもう数回遊んだし

先輩との付き合いも一緒になったりとか

たまーーにLINEするくらいの仲ではある。


でも恵から個人的な誘いを受けるのは初めて


少し緊張しつつも邦ロックやバンドの話で盛り上がる

思ったより普通に話せているし、緊張はとけた


思ったより話しやすいし、やっぱり恵はいい子なのだ


「ねえねえ、もし良かったらカフェで話そう?

もっと仲良くなりたいし…だめかな?」


少し私より低めな身長なので見上げられると

ちょうど上目遣いになる

ぐっ……これは女子同士とはいえ少しドキドキする


スマホを開き時間を確認したけど門限はまだ先


「いいよ」

「やったぁ!じゃあいこ!!」

手を軽く引っ張られて窓際の席についた


まるで結愛みたいだな。ぼんやり思いながら

メニューを開く


アイスティーを頼み、少し雑談をしていたら

突然着信音がなる


「ごめんね。すぐ終わらせてくるから待ってて」

「平気だよ!いってらっしゃい」


それから数分後運ばれたアイスティーをのみながら

つい考えてしまう


なんでこんな人気者と話せているのか

私はこういうリア充というか、人気者は苦手なのに

でも自然と人を惹き付ける力に思わず吸い寄せられていた


恵は本当に恵まれている

大きなぱっちりとした目、うっすらピンクの頬

うるうるした唇、少し茶色まじりのボブ

笑うととても可愛らしいお人形さんみたい

これで成績優秀、楽器も歌もこなせるとなると

同級生、年上どんな人にも好かれるだろう


正直羨ましい…


奥二重の目、黒髪、才能なんてなく成績も微妙

なお得意な事なんてない私にとっては憧れる


「ふう」

小さくため息をつくとローファーの足音が聞こえた


「またせちゃってごめんね!おまたせー!」

「おかえりー」


そうしてまた話が始まる

「そういえばありさちゃんは好きな人いるのー?」

「ぶふっ」


飲んでるアイスティーを少し吹いてしまった


「その反応はいるのかなー?」

少し楽しそうだ。顔がニヤニヤしている。


ここで嘘をついてもいいが同じバンドのメンバー

しかも仲良くなった友達だし、大丈夫かな?


「ま、まぁ…いるよ」

「へえ!どんな人なの?」

「優しくて、何でもこなせて尊敬してる人なの」

「えー!そんな人羨ましい!!

私はね好きな人居ないんだー。」


その返答についてはびっくりした


「てっきり人気だから彼氏いるのかと」

「いやいや!全然だよ。恋してるってありさちゃん

乙女だねー。恋してる乙女は可愛いからね」


こんなお人形さんみたいな子に褒められて

思わずたじたじになる


「いやいや全然可愛くないし、可愛くなりたいな

服もアクセもセンス無くて可愛いやつないしさ」


私の持ってる私服といえばシンプル系で

決して男ウケするような服は一着もなかった

アクセもシンプルめが多い


「じゃあ今度一緒お買い物しよ。選んであげるよ」

「え、いいの?」

「うん。だって友達だもん」


そんなこんなで2人で今度買い物することに決まった

こんな可愛い子と買い物なんてとても緊張する


「ふふ、楽しみだなー♪」


恵は楽しそうににこにこしていた。



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