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2話 醜くて美しい部活

部室に足を踏み入れるとやはりもう先輩が来ていた

私はそっちに目を向けずにギターを出そうとする


「お前ふざけんなよ!やる気あるの?」

バンっという音と共に飛び散った楽譜と女子の怒鳴り声に身体がこわばる


なるべくバレないようにちらっと見ると部長がバンドのメンバーと揉めているようだ


この部活のバンドは揉め事が多い

特に部長は女王様だ。この部活をすべて支配し

嫌いヤツにはとことん冷たいし、追い出す


私より一つ年上の先輩は涙目で静かに出ていく

それをみてその他のメンバーは笑い出す


「あいつ足でまといだったんだよな」

「演奏も下手だし、消えてよかった」

「私達にはゴミだったしね」


見ていてとても恐ろしい光景だった

こいつら人間じゃない


それに…

「先輩お疲れっす」


「長谷川くーん!!!こっちおいで!!!」

今度は女王様の怒鳴り声から猫なで声に変わる


いっつもそうだ


お気に入りの2年の人にはもうべったりで甘やかす

えこひいきする奴も嫌い。男に媚びうる女も嫌いだ。

しかもこの長谷川という先輩はそれを分かっている

自分が好かれてるのを自覚してすり寄ってるのだ


なんという汚い人間関係なんだろう

小さくため息をつくとバンドのメンバーがくる

「やっほー」「おー」


そのメンバーのひとりを思わず目で追う

少しくせ毛の髪をすこしかき、眠そうにしている


「今日もよろしくね、章悟」

「おう!」


くしゃっと笑うその顔もいい。

そしてすぐにアンプを調整して、エレキを弾く


そんな真面目に演奏する真剣な眼差しもいい。

こんな部活にいる理由


それは彼に恋をしてしまったからだ

バンドではそんな気持ちを持ってはいけない

知ってるがこの気持ちは抑えきれなかった


だって恋だもん


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