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寺の坊主の召喚魔術  作者: Suzurann
第一章 仏教魔術
15/19

第一期--No.15 松山城~将軍~


3人は最後の階段を上り、最上階へとたどり着いた。


「覚悟しろ将軍!!」

僕は、威勢よく入っていった。


そこには、金の兜を身につけた大きな男がどっかりと腰をおろしていた。


「こいつが、松山軍の将軍か・・・」

あまりに強い気迫に僕たちは言葉を失った。


ーーーーーー「仏説観無量寿経」ーーーーーー

僕は、男の煩悩を感じ取った。


「なんだよ、これ・・・

もはや人間の欠片も残ってない。これじゃあ、完全な煩悩の塊だ。」


今までの敵とは比べることすらできない。

心から黒いオーラで染め上げられていた。


「ものすごい煩悩を感じる。

こいつは今までのようにはいかない・・・」


「それでも、こいつを止める。

それが召喚僧の役目でしょ。


ーーーーーー南無妙法蓮華経ーーーーーー」


沙羅は召喚魔術を唱えた。


もうすでに祥雲は座禅を組みはじめている。


沙羅の召喚魔獣は将軍が立ち上がる前に彼の腹部に重い一撃を食らわせた。

そして、煩悩を喰らいとった。


「・・・・・・?!」


確かに当たり煩悩を喰らいとっていた。

しかし将軍は微動だにせず、座り込んでいる。

召喚魔獣は消えてしまった。


「やったのか?」


ーー「・・・無駄じゃよ。君たちじゃ、我は倒せない。」


「なんだと!」


「・・・さっきの沙羅の攻撃で、確かに煩悩は抜けたはず。」


僕は、もう一度彼の煩悩を感じ取った。


「黒いオーラはほとんど減っていない。

彼の煩悩は人の10倍、いや数十倍をも越える・・・」


沙羅はもう一度召喚魔術を唱えようとした。


「無駄だ。彼の煩悩は人の数十倍。

僕たちの召喚魔獣じゃ、喰らいきれない。」


ーー「その通りだ。我は人を捨てた。」


将軍は座り込んだまま、目をつぶっている。


「攻撃をしてこないなら好都合だ!」


祥雲が目を開いた。

そして、結界が現れる。


結界が将軍を囲み、動きを封じる。


「狩らせてもらう、お前の煩悩!」


結界から現れた魔獣は将軍に襲いかかった。


「そんなものは我には通用せんよ。」


将軍は結界から現れた魔獣の攻撃を素早くかわした。


「なに?!

結界のおかげで、動きを封じられているはずじゃ・・・」


「・・・俺の封印魔術は人そのものの動きを封じ、煩悩を狩りとる。

もし、あいつが本当に人間を捨てた煩悩の塊だとすれば、結界で動きを封じれないのにも辻褄があう。」


ーー「そうだ。今の2つの攻撃で、我を倒せないのがわかっただろう。お前ら等敵ではない。


今は、この戦に勝つのが優先だ。

この戦いは、今、我が松山軍が優勢にある。


これから我々は甲府軍の城を攻める。

我も城へ向かい、相手の大将を一騎討ちで倒すのだ。


この城の者を必死で倒してきたようだが、この城などもう用済みだ。

戦に勝てば、この村全体が我が物になるのだからな。」


「そんなことさせるか!!」

そう言ったものの、足が動かない。

彼の煩悩を直接感じ取った僕は、本能的に彼には敵わないと悟った。



将軍はゆっくりと立ち上がり、鎧を身につけた。


ーー「お前らの相手はあとでゆっくりとしてやる。

全てが我の物になったらな。

そうなるのも、そう遠くはない・・・」


将軍は僕たちが上ってきた階段を降りて行った。


「待てよ!!」


僕と沙羅は同時に手を合わせて、召喚魔術を唱えようとした。


「やめろ。あいつには効果がない。

ここで、召喚魔術を使っても、無駄だ。」


祥雲が止めに入った。


「だからって放っておくてのか!」


「そうは言ってない。

あと6回しか使えない召喚魔術を無駄にするなと言っているのだ。


あいつは甲府軍の城へ行くと言っていた。

俺たちもそこへ向かおう。

必ずあいつらを止める。」


「ああ、もちろん。」


3人は将軍を追って、甲府軍の城へと向かった。

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