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「警部」  作者: ジム・プリマス


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6/7

「警部」11~12 チョコレートパフェ


チョコレートパフェ


11

 劉と非の国際A級テロリストの指定申請は、外務省を通じて2日で申請が通った。問題は、内務省の方だった。陸自の特殊戦軍の公安庁への部隊派遣は前例がないということで、事務方が、申請処理のための書類すらないので、手続きのしようがないと言うのだ。公安室長から、内閣調査室への直接案件となってしまった。

 公安警察の一警部が、早く言えば首相案件を引き起こしたということだ、それこそ前代未聞の事態だ。私は室長の磯村に呼び出されることになった。磯村室長は、首相は私がこの案件を通したい意図と意義は理解しているという、そして関係書類の制作をした霞君の手腕に目をむいたということだ。その時に室長から、くれぐれも失礼のないようにと釘を刺された

 その翌日、私は日本憲政史上二番目となる、女性首相である市川総理に官邸呼び出しをうけることになった。首相との間でどのようなやり取りがあったのかについては、守秘義務があるので、すべてを公には出来ない。

 ただ、首相との面談の十五分のあいだ、首相と私は、それぞれの目の間に置かれた一ぱいのチョコパフェを目にすることになった。そして何故か、私は、それのご相伴に、預かることになったことだけは、話しておこう。この後、市川首相とは何度か面談することがあったが、その時には決まってチョコパフェのご相伴が通例となった。


12

 市川首相は防衛省には話を伝えてくれたので、私の申請は晴れて通ることになった。首相案件ということで、陸自の特殊戦軍の中の、人質解放の任が多い、特七班機動部隊、通称特七、小隊13名が出向という形で、秘密裏に、公安警察内の私の配下に配属された。  

 私は特七の指揮を任されている眉村少佐と、綿密な打ち合わせののち、劉と非のセーフハウスに特七班でヘリボーン作戦で急襲をかけるよう、準備に入った。

 作戦は、部隊が配属して、五日後の朝に決行された。特七班の実力は圧倒的だった。作戦開始17分間で、劉と非を圧倒し、二人を、電脳閉鎖し、拘束した。

 作戦後、二人の身柄を立川にある特別拘置所に移して、私の部署で引き続き取り調べを、続行することになった。


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