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チキンめ! と言われても仕方ない……

 家の近所の田圃に、大きな白い鳥が佇んでおりました。

 白鷺です。


 買い物にいく途中で見掛けた、冬の寒さを感じる景色の中に舞い降りた孤高の姿……ちょっと見惚れちゃいました。当たり前のように見掛ける景色ではあるのですが、美しいものは何度見ても、やはり美しいのです。


 ……なんて、感動していましたら。

 お向かいから歩いてきた高校生カップルと思しい二人組も、田圃を見てました。きっと私と同じように感動したのでしょう。女の子が、


「え、ヤバくない? 超カッコイイね、あの鳥」


 みたいなことを言って、すかさずスマホで写真を撮り始めました。もしかしたらこの近所の子じゃなかったのかもしれません。

 で、彼女は写真を撮りながら男の子に、


「なんて鳥だろね?」


 と話しかけました。すると男の子、


「白鳥じゃん?」


 ……屹度、彼もこの近所にお住まいではないのでしょう。若しくは二人共、普段はあまり鷺と遭遇する時間にこの辺りを歩かないのかもしれません。


 で、私は何も言わずその二人の脇を通り過ぎることになった訳ですが、


「白鳥って、池とかに居ると思ってた!」

「あ、俺も!」


 とか、後ろから盛り上がっている声が聞こえてきました。

 私が一言、


「あれ、白鷺だよ」


 と彼等に声を掛けなかったばかりに、あの白鷺は「白鳥」として認識されてしまったようです。

 けど、ちょっと自分からは声を掛けられないですよね。急に知らない人に話し掛けられたら、向こうもビックリするだろうし、不審者って思われたくないもの……意気地なしな私……。


 一応、もしかしたらの可能性に賭けて、横目で田圃を見て見たらやっぱり白鷺でした。

 ……済まない、君は今日から白鷺兼白鳥という事で……と、チキンな私は心の中で呟きました。

 トリなだけに。

 

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