四月一日(『わたぬき』ではない)
エイプリルフールです! しかし夕方なので、もう嘘を吐いてはいけない時間! この時間からの参加は、やはりただの法螺吹きになってしまうでしょうか。
四月一日に嘘を吐く習慣が、いつ、どこで始まったのかははっきりしていないそうです。イギリス起源説、フランス起源説、インド起源説、中国起源説などがあるようですが、自分が推したいのはイクトス島に伝わる伝説です。
昔々、地中海に浮かぶ小島イクトス島で、柑橘畑を営む男のオレンジが一羽のカモメに狙われておりました。カモメは男を恐れず……というか、なんならちょっと馬鹿にした態度で、毎日一個オレンジを啄みます。男はキレ散らかしました。しかし、制空権がある方が強いのが戦の定め、男がちょっとやそっと脅かしたくらいでは、カモメは怯みません。隙をみてその日一番美味しく見えるオレンジを持って行ってしまいます。
ある春の日のこと。男は考えました。
「精巧なオレンジの実フィギュアを作って樹にくくり付けておいたら、アイツ、騙せるんじゃね?」
翌日、四月に入って最初の日のことです。男は作り物のオレンジの実を樹にくくり付け、カモメの出現を待ちました。しかし、カモメは現れません。男は段々と不安を覚え始めました。カモメに身に何かあったのではないかと……。
男がやきもきとしている頃、隣のレモン畑のレモンを啄むカモメの姿がありました。カモメはオレンジに飽きて、今度はレモンに狙いを定めていたのです。
そうとは知らずカモメを待つ男……翌日、カモメに騙されたとぶち切れ侍になった男でしたが、そもそもカモメを騙そうとしたのは男の方です。
カモメを追い回すその顔は、しかし、僅かにほっとした様にも見えたとか。
これが「エイプリルフール」の起源となったのです。
……はい! 如何でしょうか、適当に拵えた「エイプリルフールの起源」。折角のお祭り(?)ですから、やっぱり参加したくて、既に夕方にもかかわらず軽く法螺を吹いてみました。
……言うまでもございませんが、この話は99.9%フィクションです。




