大いなる勘違い
皆様は、冬の果物と言ったら何が思い浮かびますか? 柑橘類? 洋梨?
自分は林檎が真っ先に浮かびます。
まだ自分に林檎アレルギーがあると知らなかった子供の頃、冬場は毎日のように林檎を食べていました。因みに私は硬くてやや酸味のある林檎が好きです……そう、大好きだったのですよ、林檎……。
けれどある時気付いたのです。「あれ? 林檎を食べた後って、いつも胸が苦しくなるな……」と。焼き林檎やアップルパイのフィリングのように加熱してあるのは平気なのですが、生の林檎を食べたりジュースを飲むと覿面に苦しくなるのです。親に言っても「ただの胸やけでしょ」といなされたので、「よく噛めば平気かも……」とか思ってめっちゃ噛むようにしていたのですが、やっぱり胸が苦しくなる。その内、あまり林檎を口にしなくなりました。
大人になって花粉症を患い、アレルギー検査をした際の事。そういえば、と思って林檎のアレルギーも確かめたら、バッチリ反応してるやん! あれ、胸やけじゃなかったんじゃん!
で、ふと思い出したのです。子供の頃の私、あの苦しさをどう考えていたのか……。
比較的読書を始めた年齢が早かったせいで、いらん知識をもりもりと蓄えていた小学生のあの頃。「胸が苦しい=恋心」みたいな図式が既に頭にあったのです。
私は一瞬悩みました。
「あれ? もしかして林檎に恋? いやいや、常識的に考えて、まさかねぇ……」
我ながら、まさか過ぎる突飛な発想です。しかし、当時から自分の常識がまったくもって当てにならないことを痛感していたので、0.000001%の可能性が捨てきれず……だってまともな意味での初恋はまだだったし、比喩的な胸の痛みや苦しみなんて無縁だったんだもの……物理的な苦しみとの違いが分からなかったんだもの……。
流石に「いくら何でもそれはないな……」とすぐ正気に返りましたが、危うく「初恋の相手は林檎」という黒歴史を手に入れてしまう所でした。
……そもそもそんな発想をすること自体が、立派な黒歴史な気がしてきましたよ……。




