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あまりお役に立たない豆知識回……そして、尾籠回でございます

 正月三が日最終日の今回は、ネタがない時の猫頼み、「猫豆知識回」でございます。


 皆様は「コーキシン」という物質をご存じでしょうか? これは猫の腎臓で作られる蛋白質の一種で、猫の尿のにおいの元であるフェリニンを合成する際の酵素としての役割があります。要は、コーキシンが猫の尿を臭くしているのですね。因みに、猫以外の哺乳類からも、似た働きをする蛋白質が見つかっているそうです。


 猫は本来、己の存在を隠したいのです。獲物に気取られるのは死活問題なのです。ということは、尿がくっさいなんて、あってはならない事なのでは……と、ここまで考えて、はっとしました。

 「獲物に気取られない」と同じ位、「存在に気付いて欲しい」時、あるじゃん! それは、繁殖期!

 年頃を迎え、彼氏・彼女募集中状態になった彼等にとって尿のにおいとは、言わば見合いの釣り書きの様なもの。どんどん己をアピールしないといけません。その為には、じゃんじゃんにおいを残さないと! 


 基本的に小も大も埋めて隠す派の彼等ですが、雄はお尻を高く上げて壁や柱などに尿を噴射することがあります。尿で自分の存在を誇示する為に行うのです。「マーキング」「スプレー」と言われるこの行為、性成熟を迎える前に避妊・去勢を済ませることが多い家猫では見かける機会はあまり遭遇しないかもしれませんが、それでも猫の尿に中々のパンチがあることをご存じの方は多いでしょう。

 あのパンチのあるにおいの元凶の一つを作り出すのがコーキシンなのです。


 コーキシンは、においを作るだけのものではないようです。先程話に出た「マーキング」なのですが、ようは自分の存在をアピールしたいが故の行為な訳で、臭えば臭う程、広範囲に飛び散れば飛び散る程、好都合な訳です。

 そこで、コーキシンの出番です! なんとコーキシンには表面張力を弱める働きがあるのです。表面張力とは分子間力によって生じる力で、出来るだけ液体の表面積を小さくしようと働きます。この力があるので、テーブルに落ちた水滴なんかが丸く盛り上がるのですね。で、コーキシンはこの働きを弱めることが出来るらしいのです。するとどうなるか。

 壁や柱などに水滴として付かず、びゃーっと塗りたくったようにのびてしまうのです。全体的に、しかも広範囲に満遍なく尿臭を付けることが出来て、猫大満足となるのです。


 ……ちょっと思ったのですが。人間でも極稀に、平気で電信柱なんかに向けて放尿しているおじさんっていますよね。あれって、コーキシンによる自己主張なんでしょうか。人間の尿にはコーキシン様成分は含まれていないんじゃないかなーって思うんですけど……。


 コーキシンの語源は「好奇心」であることを付け加えて、本日はこの辺で失礼いたします。

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