第1章 - 新たな世界
異世界に転生し、何もわからないまま始まったガイアの新たな人生。
この世界「エターナル・エクス」は、かつて彼がプレイしていたVRMMORPGと同じ姿をしていたが、決して「ゲームの中」ではなかった。
目覚めた場所、知らない街、異世界の人々――そして、ガイア自身の新たな身体。
彼は自分の身に何が起こったのかを知るため、まずは世界を知ることから始めることになる。
これは、一人の転生者がゼロから歩み始める物語。
ゲームの知識だけでは通用しないこの世界で、ガイアはどのように生き抜いていくのか。
その第一歩が、今、始まる。
エリスはガイアを街の中心にある広場まで案内しながら、説明を続けた。
「まず、この世界、エターナル・エクスの基本的なルールを理解しておかないと、君が生きていくのは難しいわ。」
ガイアはしっかりと頷きながら歩き続けた。エリスが言うには、この世界には「ステータス」と呼ばれる数値が存在し、それを元に成長していくのだという。そのステータスは、力、素早さ、知恵、魔力などの基本的なパラメータに加え、特殊なスキルや武器の扱い方にも影響を与える。
「でも、君みたいな転生者は、少し事情が違うかもしれないわね。普通のプレイヤーとは違う能力を持っている可能性があるから。」
エリスがちょっと心配そうに言うと、ガイアはその言葉に興味を抱いた。
「俺が違う能力を？」
「うん。君が転生してきたということは、どこかでその能力を発揮しなければならない状況が来るはずよ。だから、まずはその能力を探ることが大事。」
「なるほど…」
その時、広場に到着した。周囲は賑やかで、商人の声や冒険者たちの掛け声が聞こえてくる。大きな建物や武器屋、魔法道具を売る店が立ち並び、色とりどりの衣装を着た人々が忙しそうに行き交っている。
「ここが、エテルノの中央広場。ここから先、君の冒険が始まるわ。」
エリスがガイアに向かって微笑む。彼女の言葉には、どこか期待と不安が混じっているような気がした。
「まずは、この街で仕事を探すところから始めるといいわ。仕事をすることで、ステータスが上がるし、スキルも増えていく。お金も必要になるから、最初はそれを目標にして動くといいわね。」
「仕事か…」
ガイアはうなずきながらも、どこかで引っかかるものを感じていた。普通、ゲームの世界に転生するなら、すぐに冒険を始めて強くなることが期待されるものだ。だが、エリスの言葉には、どこか慎重に進んでいくべきだというニュアンスが含まれていた。
「ただし、気をつけなさい。エテルノには強力なモンスターが徘徊しているわ。君が最初に出会うモンスターに簡単に殺されるようなことがあったら…それが終わりよ。」
エリスの警告に、ガイアは身が引き締まる思いをした。どんな世界に転生しても、やはり生き残るためには強さが必要だ。
「じゃあ、まずは仕事を探しに行こうか。」
エリスがガイアの肩を軽く叩いて言った。
「うん、わかった。」
ガイアは一歩踏み出すと、広場の中を歩き始めた。
その時、不意にガイアの肩に何かが触れた。振り返ると、そこには見知らぬ男が立っていた。彼の目は鋭く、ガイアの姿をじっと見つめている。
「お前…転生者か？」
男は低い声で問いかけてきた。
ガイアは一瞬驚いたが、すぐに答えることにした。
「転生者って、どういう意味だ？」
「言うまでもない。お前みたいな奴は、普通の人間じゃない。だから、俺たちの仲間にならないか？」
男の言葉に、ガイアは思わず警戒心を抱く。だが、何かを感じ取ったようにエリスが前に出てきた。
「この人は…」
エリスはガイアに向かって小さく言った。「気をつけたほうがいいわ。転生者の中には、裏で動いている連中もいるから。」
「なるほど。」
ガイアは男に対して警戒しつつも、冷静に考えを巡らせた。
第1章、いかがでしたでしょうか？
ガイアが異世界に転生し、まだ右も左もわからない状態のまま物語が始まりました。
「エターナル・エクス」の世界は、ただのゲームではなく、独自の法則と現実のような厳しさを持った場所。
そんな中で、ガイアは自分の力を模索しながら、少しずつ世界に馴染もうとしていきます。
これから彼がどのようにして生きていくのか、どんな仲間と出会い、どんな戦いを繰り広げていくのか――
そのすべてを見守っていただけると嬉しいです！
次章では、いよいよガイアがこの世界での「最初の試練」に直面します。
今後ともよろしくお願いします！
