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序章 出逢い
心地良い風
一面に広がる町の景色
制服を纏った少女
黒い髪が輝いている
「ついにか…」
少女は呟き、足元を見る
柵の向こうには
靴と手紙が置いてある
少女がいる場所
それは───
【屋上】
少女の瞳には光が無い
少女はフラフラとおぼつきながら
何とかそこに立っている
それでも少女の決意は揺るがない
この辛くて、汚い世界に別れを告げると決めたから
「さようなら」
そう言い、少女は夕焼けに向かって飛び出した───
「おっと…」
はずだった
「っ…!」
誰かが少女の腕を掴む
少女はその誰かに屋上の柵の前まで引き戻される
「飛ば…せて…」
「それは無理なお願いだなぁ」
少女は泣きそうな顔で願うが、少年は困ったように笑いながら、少女の腕を掴んでいる
「もう生きたくないのっ!」
少女は少年の手を振りほどこうとするが、か弱い少女に少年の手は振り払えるはずが無かった
「じゃあ、僕が救ってあげるよ」
少年は微笑みを浮かべながら言った
これは、か弱い少女が不思議な少年と共にこの醜い世界で希望を見出す物語───




