表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/166



 あっしは、深淵の中で待っている。彼女がこちらに気づくまで。

 ──光り輝く主人公

 それは巫女式神だった。




  瓦礫に倒れ込む山の女神に巫女式神は近寄る。

「春木…」

 傷口から血を流した山の女神は何とか立ち上がろうとして、倒れた。赤い血になっているのに気づき、巫女式神はハッとする。

「私の神性が薄れてきている──今しかないわ。あれが縫い付けられている間に…あれは次元や生命など地球上のあらゆるものを傷つけ、破壊できる。自由になったら勝ち目がない」

 巫女式神は縫い付けられた天津甕星を見遣り、焦燥する。

「あたしじゃ戦えないよ」

 ボロボロになった女神が手のひらの上に神鏡を召喚した。

「これは神々が干渉していた時代のものだから、私の力を充分に吸い込んでいる。カオスから秩序が覗いたら、これで照らして」

「それは…」

「ルールを映し出す鏡。こんな風に使うのはあれだけれどね。これなら蔓延するカオスを退けられ、ルールをリセットできる」と。

「リセットしたら、あんたのルールもなくなってしまうんじゃ…」

「そうさ。でもまたやっていけばいい。何度リセットしても、やり直せばいいんだ。今はそれしかない。さあ」

「…あ、あたしがそれを?」

「あなたならできる。一番上だと思うくらいに、高い所へ掲げるんだ。宇宙をうつしだせ。希望を信じろ、太陽を思い出せ。絶対に光は現れる…」

 苦しげに女神は横臥した。


「ま、待ってくれよ!あたしが、そんな大役──」

「私たちはもう終わってるんだ。変わりたくてもね。なら誰がやる?お前しかいないだろ?」

「…あたしはただの式神なのに」

「いいや、お前は何にだってなれるさ。そんじょそこらの魔にも神威ある偉大な神になれさえする。未知数な生き物だからだ。それをこの最高神が望んでいるんだ。」


「…!うん、やるよ!やってやるよ!」

「その意気だ!ドカンと一発かましてやれ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ