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リバースプロキシ  作者: 如月いさみ


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巌流島の恋人たち

伽羅は部屋を出ると隣の春彦の部屋に入るとリクライニングで身体を起こして待っている春彦に

「本当に、ごめんな」

と告げた。


多少は歩けるが長時間が立っていたり、座っていたりするのはまだ無理なのだ。


春彦は首を振ると

「そんなことないって」

と言い

「それよりどんな夢だったのか教えてくれ」

と告げた。


そう、こうやって夢を言いに来てくれることは助かるのだ。

負の連鎖へ向かおうとする出来事を止めることができるからだ。


春彦は伽羅を見つめ

「頼む」

と告げた。


伽羅は頷くと

「多分、明け方みたいな感じでもやぁって白くて、周りが海でその向こうに島影とか見えてて…左を見ると男の人が座っててその向こうも海でなんか街がぼんやりと見えてた」

それで男の人が見ている先に女の人が休憩所の椅子に倒れてたんだ

と説明した。


春彦は考えながら

「なるほど、その女性が美人だったんだな」

と呟いた。


伽羅は大きく頷くと

「そう!ショートボブの綺麗な女の人!」

って!そうじゃなーい!!

「殺人事件だってこと!!」

とむぅと怒った。


春彦は苦笑しつつ

「ごめんごめん」

と言い携帯を伽羅に渡すと

「その女性と男の人と、それから正面の風景と男の人の向こうの風景と周辺の状況を描いてくれ」

と告げた。


伽羅は頷いて

「わかった」

と答え「あ」というと

「そう言えば船が通ってた」

と告げた。


春彦は伽羅を見て

「船?」

夜明け前に船か

と呟いた。


伽羅はその風景を書きながら

「うん、そう…船…ほら、ボーっていう一番上の部分が赤くて大きな船だった」

と告げた。


春彦は「なるほど」と答え

「その船思い出せるだけ詳しく描いてくれ」

と言い、伽羅が男性と女性と風景を描き終えるのを待って携帯を受け取るとそれらを見た。


男性も女性も見たことはない。

知り合いではない。


だが。と春彦は心で呟いた。

伽羅のこういう夢は恐らく磐井栞の導夢を共有しての夢の可能性が高い。


しかも、夢に関わった人間の誰かは自分や兄やとにかく何かに関わってきている。

止めなければならない夢なのだ。


春彦は絵を見つめながら

「この船は大きな手掛かりになるな」

と言い、船の絵を見て

「この船体の文字から調べられるかも」

と呟いた。


『MIZUKIZA』という文字が大きく描かれている。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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