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リバースプロキシ  作者: 如月いさみ


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音の専任技術者

春彦と伽羅は譲のノックで起きると洗面所へと向かった。

顔を洗い朝食を母親の更紗と兄の春馬と共に済ませ、春彦は「あ」というと

「高校卒業したら大学は東都大学を受けようと思います」

それで法学部なので三年では文転しようと思ってるんだけど

と告げた。


春馬は紅茶を飲みながら

「確か西海道大学付属高校は文転許してなかったと思うが?」

と告げた。

「そのまま理系で受験科目の選択の地歴と政経を勉強したらいいんじゃないか?」

家庭教師呼べばいいだろ

「どうせ、そっちの絵の講師を受けてるときに受けりゃあ良いんじゃないのか?」


春彦と伽羅は「「なるほど!」」とポンッと手を叩いた。


春馬はふぅと倒れかけて

「当り前だろうが!」

それくらい計画立ててから話を出せ!

と怒鳴った。


春彦は「でも、家庭教師って高そうだし」と困ったように笑った。


春馬は嫌そうに眉間にしわを寄せると

「まだパンピーか!気分は一般感覚か!」

と怒り

「島津家が大切な次男の教育を疎かにしているなんて笑いものだろうが!」

ざけんな!

と怒鳴った。


春彦は慌てて

「ありがとうございます」

と頭を下げた。


春馬はハァと息を吐き出し

「だが、大学は西海道大学だ」

その法学部だ

と告げた。


更紗もまた

「春馬の言う通り大学は西海道大学の法学部に行きなさい」

と告げた。

「東京へ帰ることは許しません」


春彦は顔を顰め

「けど、俺は次男だし…直兄も待ってくれてると思うし」

東京へ帰りたいと思ってます

と告げた。

「伽羅も東京の美大受けるしな」


更紗はにこやかに

「松野宮さんは東京の美大頑張ってくださいね」

先生にも受験対策など学べるように伝えておきます

と告げた。


…。

…。


伽羅は「え?俺だけ?」とサーと蒼褪めた。


春馬は腕を組み

「春彦、お前は島津家の次男だ」

あの夏月直彦に育てられてたとしてもな

「東京へ帰ることは許さんからな」

と告げた。

「東京へ行けばこっちほど身を守らせることができなくなるからな」


春彦は視線を伏せると

「少し考えます」

と答えると

「ご馳走様でした」

と言い、広間を後にした。


伽羅は慌てつつ

「あ、俺もご馳走様でした」

と言い、春彦を追いかけた。


春彦は2,3歩進んで深呼吸をすると伽羅の方を見て

「ごめんな、一回や二回でへこんでたらダメだよな」

と笑顔を見せた。

「反対されるの分かってたし」


伽羅は頷いて

「ああ、頑張れ」

春彦

と笑顔で頷いた。


二人は部屋に戻ると気を取り直して悠真にLINEを入れた。

『おはよう。田中はホテルの経営とかも詳しいから貯水槽の清掃業者で株式会社福岡貯水って知ってる?』


田中悠真は日曜日の早朝に入ったLINEを見てソーセージをパクリと食べると

『あー、ホテルの高架水槽の清掃を頼んでる業者だからよく知ってるけど?』

と返した。

『まさか島津家が契約したいとかじゃないだろうな?』


春彦と伽羅はそれを見て同時に首を振った。

「「俺たちの決めれることじゃない」」である。


ただ、彼が知っているのは救いであった。

春彦は伽羅の描いた犯人の男の絵をLINEで送ると

『この人の顔に見覚えある?』

と返した。


悠真はジーと見つめ

「そっちか」

と呟いて、コーヒーを飲み干すと

「ご馳走様」

と両手を合わせていい、父親が顔を向けると

「ホテルのお得意様の用事」

と二っと笑って答えた。


父親は直ぐに理解すると

「宜しく伝えておいてくれ」

と告げた。


悠真は笑顔で

「了解」

と答えた。


そして、部屋に戻ると

『松野宮の金にならない夢の方か』

と打ち込み

『今までの作業でこの人物は来てないな』

と返した。


春彦は「そうか」と呟き

『その会社にこの人がいて、近々どこかで作業するか調べられないか?』

と返した。


悠真はLINEを見て

『あー、面倒くさいから今から会えるか?』

と返した。


会って話をする方が余程分かりよい。

春彦も「確かに」と呟くと

『来れる?』

と返した。


悠真は速攻『行く』と返して鞄を手に食事をしている父親の元へと向かった。

「親父、いつも頼んでる株式会社福岡貯水の連絡先とかパンフレットとか借りて行って良いか?」


父親は「色々忙しいな」と笑い

「ああ、ホテルの書類棚のメンテナンスファイルの中に挟んでいる」

と答えた。


悠真は踵を返すと

「サンキュ」

と答えて駆け出した。


春彦も立ち上がると部屋を出て広間でお茶を飲んでいる更紗の元に行くと

「お母さん!今から友達来るから」

と言い、驚く二人に踵を返しながら

「田中君!」

と答え部屋へと戻った。


春馬はバタンと閉まった扉を見ると

「…あいつは本当に時々動きが激しくなるな」

と言い、譲を見ると

「多分また探偵ごっこだぞ、あれは」

と言外に動きを見張れと告げた。


更紗も困ったように

「ここのところ静かだったので安心していたのですが」

と溜息を零した。


十数分後に悠真が訪れると春彦と伽羅は出迎えて春彦の部屋へと引きこもった。

譲は様子を見るために飲み物と洋菓子を持って行き向かい合って座る三人をそれとなく観察した。


悠真は譲が去ると

「夏月、警戒されてるな」

とぽそっと呟いた。


伽羅は困ったように

「みんな鋭い」

と呟いた。


悠真は「いや、分かるだろ」とビシッと告げた。


春彦は困ったように笑って

「けど、何時起きるか分からないから」

仕方ない

と言い

「それで、株式会社福岡貯水のことなんだけど」

と告げた。


悠真は手を前に出すと

「いやいや、待て待て」

その前に俺にも概要を教えてくれ

と告げた。

「俺の方が貯水槽とかには詳しいんだぜ」


春彦は頷くと伽羅を見た。

「頼む」


伽羅は頷いて春彦から携帯を受け取るといた場所の絵を見せた。

「こんな暗い場所で立っててドンドン上から水が入ってくるんだ」


悠真は頷いて

「なるほど、受水槽だな」

と言い

「それで」

と促した。


伽羅は被害者の絵を見せて

「それで、この美人のおねーさんが口と手と足を縛られて閉じ込められていたんだ」

と告げた。

瞬間に悠真の顔が引きつった。

「この人…こんど講義してくれる警視庁の音の専門家のおねーさん」


…。

…。


春彦と伽羅は同時に目を見開くと

「「えーーーー!」」

と叫んだ。


悠真は思い出しながら

「確か名前が長坂真理子さんで年齢が29歳」

とビシッと告げた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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