第四章28ページ
彼方【おっらぁぁぁぁぁ!】
振り下ろされた刀を寸での所で彼方は受け止めてそれを弾き返す
彼方【おい、大丈夫か?】
彼方は倒れているカヤを抱き起こし声をかける
するとうっすら目を開け彼方を見てカヤは小さな声で問いかけてくる
カヤ【貴方は・・・?】
彼方【俺は彼方、バロン君達のギルドのリーダーだよ】
言葉に答えればカヤは小さく笑って言葉を返す
カヤ【あぁ、貴方が・・・】
死んだと思ったがどうやら助かったらしい、そう思うも体の自由はもうほとんどきいていない
そんなカヤに回復魔法がかけられる
リル【酷い怪我・・・これ回復魔法でどうにかなるのかな?】
彼方【ともかく回復してやるしかないだろ、リルは回復しててくれ、俺はこいつらの相手してみるからさ】
リル【気を付けてね】
リルは彼方の言葉にこくりと頷くと回復に集中する
彼方【さってと、いいとこ見せてみるかね】
彼方はそう言うといつも使っている大剣ではなく刀を抜く
そして目の前のヒトキリへと一瞬で距離を詰める
彼方【五月雨!からの真空斬!】
五月雨
五連続突き
そして更に刀を思いっきり振り抜いて真空波で敵を切り刻む技、真空斬のコンボでヒトキリの腕を一本切り落とす
彼方【ネネ!こいつのドたまぶん殴れ!】
ネネ【!!!お兄ちゃんの仰せのままに!!】
彼方からの言葉を聞いたネネはパアァァっと表情を明るくすると一気に駆け出し巨大なハンマーを振りかぶりヒトキリの頭を全力で叩き潰す
その一撃は残っていた体力すべてを吹き飛ばしヒトキリを始末する
緑【すっご・・・】
バロン【なぜさっきそれが出来なかったのか】
ネネ【お兄ちゃんパワーですね!】
感心する緑と呆れるバロン、それを謎理論で迎え撃つネネ
リル【カヤさん・・だったよね?この傷は】
カヤ【余計な詮索は無しだ・・・助けてもらっておいてあれだが、私にも言えない事がある】
リル【わかった、とりあえず回復魔法がきいてるみたいで良かった】
カヤ【恩に着る】
リル【んーん、お礼は彼方にお願い、それともう一人・・】
リルがそう言いかけるともう一人がヒトキリに追い回されながら走ってくる
ポン太【えぇい、なんで効かないんだ!】
手には恐らく使っていたであろう武器の半分が握られていた
手にもっているそこから先は綺麗に無くなっているため元の形はわからないが、とりあえずユニーク武器の類いであることに間違いはない
彼方【普通の武器で戦えっつったろうがよ!】
ポン太【それじゃ面白くないだろ!】
彼方【なら仕方ねぇな!】
彼方は地面を蹴りヒトキリの首に一閃
彼方【鵜首斬】
まさしく首を切り落とすための技だ
その技名にたがうこと無くヒトキリの首を切り落とし・・てはない
ダメージは与えているが一撃必殺には程遠い
ポン太【あ、やっべ、死んだわ俺】
目の前にもう一匹のヒトキリがポン太目掛けて刀を振り下ろす
気付いたときには遅し
ポン太は自分の未来を口にしていた