第四章10ページ
次の瞬間にはハエーナはすべて眼前から消える
リル【さっきと同じ・・・なら・・クエイクストライク!】
自分の足元から石の柱を突き出させその勢いで空中へとジャンプする
ハエーナは先程までリルがいた場所に飛びかかってきており石の柱へと頭をぶつけ地面に転がる
リル【フレイムストライク!】
そのまま落下の速度を利用しつつ着地と同時に0距離で炎魔法をハエーナに当てて倒す
リル【体力は無いみたいだよ!】
彼方【攻撃当てれば倒せるか・・・あてれば・・な】
ウルフデスの時もそうだったが大剣は動きのはやい敵に対しては弱いため防戦一方になる彼方
たまに振り抜くがもちろん当たることはなく徐々に体力も削られていく
リル【ウインドストライク!】
風の弾丸を放ちハエーナを彼方から引き剥がしリルが彼方のとなりに立つ
彼方【さっすが、俺のお姫様、お強いことで】
リル【うちの王子様はまだまだ弱いね】
彼方【うっせぇよ】
これで付き合ってないのだから詐欺である
彼方【さて、お姫様的にはどうしたらいいと思う?】
リル【もう少し門に近付ければマイナさんの射撃が届くと思うから撤退は楽になるはずなんだけど・・・】
彼方【こいつらが逃がしちゃくれない、か】
彼方達の退路を断つようにハエーナが壁を作っている
更に後方からはウルフデスが迫ってきている
彼方【よし、一ついい手を思い付いたぞ】
リル【期待せずに聞くよ】
彼方【俺の大剣を使ってリルをハエーナの方にぶん投げるから風魔法でブーストして飛んでいって炎魔法で一気に焼き尽くしてくれ】
リル【半分感心、半分呆れ】
彼方【よしよし、つまりいい判断って事だな】
リル【他に手もないし、速く動くならこっちから行くしか無いしね】
彼方【じゃあ行くぞ】
大剣の腹の部分にリルを乗せて一回転
リル【ウインドストライク!】
更にそこに風の魔法を使い勢いをプラスする
彼方【いっけぇ!】
ぶんっとリルを投げ飛ばす
リル【フレイム・・・えっちょっ、彼方!?】
彼方【言ったろ、お姫様をちゃんと守るってよ】
魔法を放とうと構えたリルは自分がハエーナの方ではなくその後ろの外門に向かって飛ばされてることに気付く
そう、彼方ははじめからリルだけを逃がすつもりだったのだ
彼方【ただで殺られるつもりはねぇからな】
獲物が減ったことに腹を立てたハエーナが彼方に一斉に襲いかかる
大剣でなんとか抵抗しつつも数とスピードには勝てず一方的になぶられ続けそしてその後ブラックアウトするのであった




