第四章9ページ
距離が離れたことでリルはウルフデスの群れに囲まれる
彼方【リル大丈夫か?】
彼方はその群れのはしを切り崩しながらリルがいた場所へ向かって戻っていく
リル【うちは大丈夫だから来なくていいよ、でも気をつけて、ウルフデス以外も混ざってるよ】
囲まれてはいるがこれぐらいの魔物相手なら大丈夫だろうと思い彼方がこちらに来るのを制止する
その理由として先程ちらっと見ただけだが明らかにウルフデスとは違う魔物が群れに紛れ込んでいた
その未知の敵に対する警戒心からもここは一人の方がいいと考えたためだ
二人いて二人やられては元も子もない
ならば仮にやられるにしても自分だけでいいとそう判断したためだ
リル【さっきのは・・・あいつか、フレイムストライク!】
そして未知の敵を見つけそいつに魔法を放つ、しかしそいつはウルフデスより素早く魔法をかわすとリルの目の前に飛び出してきた
その名前は(ハエーナ)
見た目はハイエナのような姿をしており動きはとても素早いようだ
魔法を至近距離で避ける事が出来るぐらいには速いらしい
リル【ハイエナ→ハイエーナ→ハエーナかな?】
次の瞬間目の前からハエーナが消える
リル【ホントにはやい・・・】
そしてリルが気付いてない無防備な背後から襲いかかってくる
リル【しまっ】
彼方【おーっらぁぁぁぁっ】
その瞬間ウルフデスの群れを突破してきた彼方がハエーナを大剣で真っ二つに切り裂く
リル【彼方!?来なくていいって言ったのに・・・】
彼方【ばーか、仲間見捨てられるかよ】
リル【はぁ、ほんとそうゆうとこずるいよね】
彼方【うん?何が?】
リル【何でもない、じゃあ来てくれたからには守ってよね】
彼方【おう、元よりそのつもりだ】
リル【じゃあよろしく、王子様】
彼方【はいはい、全力で守らせていただきますよお姫様】
大剣を構えて突破口を開くために思いっきり振り抜く
彼方【大河一閃!】
一閃シリーズの技、横凪の衝撃波を放ち前方のありとあらゆる物を切り裂く技
だが、もちろん何でもきれるわけではない
ウルフデスを何匹か仕留めるがハエーナには当たらなかったようだ
それでも前方が開けたためにそこから二人は群れの中を走り抜けていく
なんとか群れを突破し外門が目前へと迫る
しかし、そんな二人の前にハエーナの集団が現れる
彼方【ハイエナ→ハイエーナ→ハエーナかな?】
リルと同じ事を言いながら大剣を構えて相手の出方をうかがう
リルも剣を構え魔法をいつでも放てるように準備はしているが至近距離でしか当たらないだろうと魔法は基本牽制にしか使わないつもりでいるのだった