第一章6ページ
彼方【とりあえずなにかクエスト受けて行ってみようぜ】
リル【いいよ、あっちに行けばデイリークエストが受けれるみたいだからまずはそこから行ってみよ】
二人はデイリークエストを受けれるNPCの方へと歩いていく
途中街の中を歩いているNPC達と何人かすれ違う
とリルが感慨深げにポツリと言う
リル【凄いよね、ここにいるNPCってただのNPCじゃないんだから】
彼方【まぁ、最新のAIを搭載して作られた新しい生命体って雑誌に書いてたからな、AICだっけ】
リル【そのまま人工知能キャラクターだね、うちら人間とほとんど同じで自分で考え行動してクエストも作るって話だから頭の上の表記がなかったらプレイヤーとの見分けもつかないかもね】
一般的にプレイヤーの名前は青
AICの名前は緑
敵の名前は赤
その他は黄色
そしてこれは噂程度だが黒色の名前もあると言われている
黒がなにを示すのかはわかっていない
このゲームは情報が少なく初歩的な事しか世間には発信していない
またゲームを始める際にゲーム内の情報交換をしていいのは口頭だけで尚且つお互いに目の前で喋ることが義務付けられている
情報が拡散しこれからゲームを始める人達の楽しみを奪いたくないからとの事だが些か厳しすぎる気もしなくはない
『やぁ、君達は冒険者かい?』
そんな二人にAICが声をかけてくる
そう、このゲーム内ではAICから声をかけられクエストを頼まれることがある
もちろん受けるか受けないかは本人次第で中には豪華な報酬が貰えるものもあれば苦労に見合わないハズレクエストのようなものまであり、いったいどちらかなのはクエストクリアまでわからないといった仕様である
彼方【冒険者だよ】
『ちょうど良かった、少し頼みたいことがあるんだけどいいかな?』
彼方【いいよ】
『僕はミリアル、実は最近この近くの森にウルフデスが増えて困ってるんだ、しかもそれをまとめるリーダーがいるらしくて徒党を組むようになってるようなんだ、よければウルフデスの群れを討伐してきてくれないかな?』
彼方【わかった、任せといてくれ】
『ありがとう!これを、危険な事を頼むんだからこれぐらい受け取ってくれ』
そう言うとAICミリアルは二人に回復アイテム(回復水)を5本ずつ渡してくれる
彼方【貰っていいのか?】
『もちろん、気を付けていってくれよ』
彼方【わかった、ありがとう!】
礼を言って二人はミリアルから離れていく
クエスト
逆襲のウルフデス
が開始されました
目の前にメッセージが流れる
クエストを受注したと言う証だ
彼方【勝手に受けてわりぃ】
リル【うちは別にいいよ、それより森ってさっき彼方がいた場所だよね?】
彼方【あぁ、もしかしたらあのウルフデス達かもしれねぇな】
そう呟くと二人は街を出て森に向かっていくのであった