第三章25ページ
そしてこちらは現実世界の彼方サイド
瑠璃【ほら、おきて遅刻するよ】
彼方【んんぅ、あと一時間】
瑠璃【寝坊どころの騒ぎじゃなくなるんだけど】
その後彼方をたたき起こし学校へ行く準備を終わらせ家を出る二人
彼方【昨日ログアウトするの遅かったけどなんかあったのか?】
瑠璃【少し気になった事があったからね、まぁ・・・解決はしなかったけど】
彼方【ふーん?】
そんな話をしていると学校へと到着する
星奈【おはよーさん、相変わらず朝からラブラブやなぁ】
彼方【おはよー、付き合いも長いからな、いつもの光景すぎてラブラブかどうかはわからねぇや】
瑠璃【そもそもうちら付き合ってないからね?】
昨日と同じように教室に向かっているとなにやら廊下が騒がしい
どうやら廊下で誰かがしきりに人に話しかけているようだ
漣【やぁ、そこの君!僕をギルドに入れてみる気はないかい?僕がいればこの先食べ物に困ることはないよ、なにせ僕の職業はコックだからね】
彼の名前は杉乃漣
しかし、売り込みは上手く行ってないようで声をかけつづけるが誰にも相手にされない
ギルドを大きくするためにはもちろん人数がいる
だがこのゲームにおいて料理とは今はそこまで重要視されていない
なぜなら食べる必要がないからだ
食べたからといってバフがつくわけでもなければ体力が回復するわけでもない
味は美味しいが現実の腹が膨れるわけでもない
そう、このゲームにおいて料理とは趣味の範囲内のものである
そしてコックは戦闘職ではないためクエストに連れていくのも難しい
つまりギルドにとって必須でもなければ足を引っ張られる可能性の方が高いのだ
漣【なぜだ、なぜ誰も見向きしてくれないんだ・・む、そこの君!僕をギルドに入れてみる気はないか?】
そして漣は彼方達・・・ではなく近くを通りかかった女性に声をかける
愛奈【私ですか?生憎ですが私もギルドを探している身なのであなたのご期待にはこたえられませんよ】
女性の名前は藍那愛奈
黒髪ロングの清楚系でメガネをかけている、見た目は委員長タイプの女の子だ
漣【ぬぅ・・・そこの君!ギルドリーダーとみた、良ければ僕とこの女性をギルドにいれてはもらえないだろうか?】
そして次こそは彼方に気付き早速売り込みを始める
愛奈【ちょっと、何を勝手に・・・】
漣【ここで出会ったのも何かの縁さ】
愛奈【だいたいそんなナンパみたいなやり方でギルドに入れたら苦労なんて】
彼方【いいぞ】
愛奈【ほら、みなさい、ことわられ・・・てない!?】
予想外の返答に声をあらげる愛奈であった