第三章22ページ
セレナ【大丈夫やったか?】
ナナ【し、死んだかとおもった・・】
荒く息を切らすナナをセレナはよしよしと頭を撫で落ち着かせる
彼方【と・・・とりあえず勝った・・・よな?】
ポン太【やったか?】
ギリー【いや、まだだ!】
彼方【へんなフラグ建てんじゃねぇよ!】
とはいえ流石に周囲の警戒を怠るわけにはいかずそれぞれその場から動かずに注意深く辺りを見回した
しかし、それ以上のへんかも無ければ増援も無さそうなためそれぞれ武器をしまい戦闘体勢を解くのであった
みにか【そう言えば、あのドラゴン達ってなにに群がってたんだろ?】
リル【みんな、こっち来て】
みにかが疑問を口にすると同時に先に動いていたリルが彼方達を呼び寄せる
その声に皆はリルの方へと歩みをすすめ近付いていく
バロン【これは・・】
緑【なるほど、確かにこれは集まるよね】
ナナ【卵・・・ですか】
セレナ【こんだけでかかったらよーけ卵焼き作れそうやな】
彼方【気になるところそこかよ】
そう、先程ドラモリ達が群がっていた場所には人間よりかは少し小さめの卵が1つ置いてあったのだ
ここが巣だったのだろう、卵の下に藁のような物が敷き詰められている
リル【なんだが悪いことした気分だね】
彼方【まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないとはいえ、な】
ギリー【とりあえずこの卵どうする?】
ポン太【とったら親が来て延々と追い回されたりして】
バロン【可能性は0じゃないですが、ほぼ0じゃないですかね?】
緑【多分さっきのどれかが親だった可能性高いしね】
セレナ【ドラゴンの子育て事情はわからへんからなぁ】
ナナ【とりあえず持って帰るんですか?】
彼方【置いとくのもあれだし、持って帰るか、どうするかは後で決めようぜ】
みにか【なら彼方が持ってね】
リル【重そうだしね】
彼方【へいへい、って言うかこれってインベントリに入らねぇのかね】
そう言いながら卵に触れると粒子へと変化し彼方のインベントリへとしまわれるのであった
アイテム名は
【親を失ったドラゴンの卵】
だそうだ
彼方【めちゃくちゃ申し訳なくなるんですけど!】
ナナ【とりあえず素材は充分集まってますよね?】
リル【それぞれのインベントリに入ってるだろうから確認してみる?】
それぞれインベントリからドラゴンの素材を取り出し数を数えると頼まれていた素材の約二倍ほどの数が集まっていた
彼方【よし、とりあえず冒険者の集いに戻ろうか】
そして一行が歩きだすと同時に
クエスト
ドラゴンの巣
をクリアしました
と彼方にだけシステムメッセージが届く
彼方【一応今のもクエストではあったのか】
リル【彼方?焼いてくよ?】
彼方【そこは置いてくよ?だろ】
はいはい、と呆れながらも足早にリル達に追い付くためにあるきだすのだった