第三章7ページ
彼方【ギルドハウスの実装、思ったよりも速かったな】
花【不具合も不具合だったから早めた可能性もあるけどね】
狸太【十回ぐらい間違ったでござる】
彼方【俺なんか十五回だぞ】
狼【リアルラックの差が酷い】
瑠璃【そう言えば花さんはどうしてこのクラスに?まだギルドに入ってなかったよね?】
花【昨日ログアウト前に彼方に会って、直接申請したからね】
彼方【そうそう、ログアウト出来なくてボタン連打してたら花が来てさ】
そしてギルドへの参加申請と共に一発でログアウトをしていったらしい
彼方は申請に許可をしてその後もまたログアウトボタンと格闘を続けていたのだそうだ
そうして時間が過ぎお昼休みになりそれぞれが昼飯の準備にとりかかる
学食ももちろん完備されておりビュッフェ形式で食べ放題だ
もちろん弁当を持ってくるもよし、買ってくるもよし
食べる場所は食堂や教室、はたまた休憩室もある
もちろん、学生と言えば屋上も解放されている
彼方は瑠璃と共に屋上に向かう
彼方【さぁ!飯だ!】
瑠璃【寝てばっかで頭使ってないのにお腹減るの?】
彼方【寝る子は育つってな】
彼方の屁理屈にため息をつきながら屋上のベンチに座る
そして二人で弁当を食べ始め少しすると屋上に誰かが入ってくる
その人物はおもむろに彼方達に近付いてくると目の前で止まる
理伊【こんにちは、隣いいですか?】
その人物とは女生徒会の会長、理伊だ
可愛らしい包みに入ったり弁当を持っており、彼方の隣に座っていいかどうか訪ねる
彼方【かまわねーよ、つかなんでわざわざここに来たんだ】
理伊【二年離れてしまいましたがマスターの身の回りの世話をするのが私の使命ですから】
彼方【その呼び方久しぶりに聞いたよ】
理伊【会うのも二年ぶりですからね、もっとも私がいない間も瑠璃さんがマスターを世話してくれていたようですが】
理伊はそう言いつつちらりと瑠璃の方をみる
瑠璃【別に世話をしたくてしてるわけでもないよ、仕方なくだからね】
幼なじみの腐れ縁だからと心底めんどくさそうにため息をつきながら理伊に視線を返す
理伊【私だって幼なじみですよ、それに私はマスターの下僕です】
彼方【誰かに聞かれたら誤解されるんでその言い方はやめてください】
理伊【私はマスターに命を救われました、ですから恩返しの為に私の全てをマスターに捧げると誓ったのです】
彼方【勝手に誓われてもなぁ、大したことしてないし、てかそれなら理伊もうちのギルドにこいよ】
理伊【マスターの折角の誘いですがそれは出来ません、あちらの世界では豪がマスターなので】
彼方【あっちの生徒会長さんねぇ、まぁいいけど】
理伊【さて、そろそろ時間ですので私は失礼しますね】
彼方【はいよ、またなー】
理伊【はい、ではまた】
軽く手を振りその場を離れる理伊の背中に軽く手を振って見送る二人だった