第三章5ページ
彼方【ちっさ】
その後彼方はまた蹴られたのであった
星奈【まったく、失礼なやっちゃな、うちはまだ成長期が来てへんだけや!】
瑠璃【彼方も中学三年生まではこんなんだったからね】
瑠璃が膝の間接ぐらいのところで手を使って高さを表現する
彼方【それはもはや成長云々レベルの問題じゃないんだけど】
星奈【で、今日から新入生になるんやっけ?】
彼方【そうそう、学校のでかさに唖然としてたわけ】
星奈【まぁ、確かにでかすぎやでな、せやけど安心しぃ迷うことはほぼあらへんから】
瑠璃【じゃななにか秘密があるんだね?】
星奈【せや、二人はフリーゾーン持ってきてるやろ?】
彼方【あぁ、首につけるやつだけでいいって書いてたからそれだけだけど持ってるぞ】
星奈【ほなフリーゾーンを装着してこの端末に学生証をかざしてみぃ】
フリーゾーン
アルカディア社が開発したフリーディアオンライン専用の端末で首に1つ、両手首、両足首に各1つずつの計5つの端末の事だ
当初こそゲーム専用端末として開発されていたが日常生活や仕事などでも使えるようにといろいろな機能がついている
ゲームを遊ぶ時やVR空間を使用するとき以外であれば首につける端末だけで使用が可能である
首にフリーゾーンを装着し端末に学生証をかざすと教室行きのルートが表示される
彼方【おお、ハイテク!】
星奈【せやろ、うちらはゲーム発売の一年前からつこうてたから慣れとるけど、はじめてつこうたらビックリするやろ】
瑠璃【じゃな星奈さん達はフリーゾーンのテスターも兼ねてたってこと?】
星奈【せやで、ってもフリーゾーンを装着してつこうてたら勝手に向こうに状況が知らされるらしゅうてデータ送ったりとか面倒な作業はなんもいらんかったけどな】
彼方【科学ってスゲー】
星奈【噂やともう少ししたら中学校も敷地内に出来るらしいで】
そこで予鈴のチャイムがなる
彼方【っといけねぇ、初日から遅刻は勘弁だ】
瑠璃【じゃあ私達は行くね】
星奈【ほな、また後でなー】
その後星奈と別れた二人は足早に教室に向かう
時間までには間に合い自分達の席を探すと隣同士になっていた
彼方【ふぅ・・・間一髪】
瑠璃【はぁ・・・時間までに起きなかったら明日からは起こさないよ】
亮【相変わらず朝からお熱い事で】
狸太【朝から胸焼けが止まらないぜ】
片桐亮と菅原狸太の二人が声をかけてくる
察しの人もいるかもしれないが、亮がギリーで狸太がポン太だ
彼方【おはよう、まさかお前らまで一緒のクラスだったとはな】
狼【俺ちゃんもいたりして】
緑【私もいたりする】
茅場狼と水華緑
バロンと緑である
瑠璃【大集合だね、もしかして知り合いが集められてる?】
瑠璃はふとそんな思考に至るのだった