第二章〜15ページ〜
セレナ【うちも例外や無かった、そして言われたんや】
男【お前は見た目がいいから残しておいたがイベントでは無価値だ、俺の女になるならギルドに残らせてやるがどうする?】
セレナ【そんな事言われたさかいにおもっきし横っ面張り倒して断ってやったわ】
そしてセレナはギルドを去った
これから残りの時間はゆっくりしよう、誰かとパーティーを組んで最後の思い出を作ってもいいだろうと心機一転残りの時間を楽しもうとギルドを出ていったそこまではよかった
だがその後、男やギルドのリーダー達からの嫌がらせが始まる
パーティーを組みフィールドを出た瞬間、男達からの奇襲を受けセレナ以外全員PKされてしまったのだ
そして男達は復活し戻ってきたパーティーメンバーへと言葉を放つ
男【金とアイテムをごくろうさん、うちの仲間に騙されてパーティーを組んだのが運のつきだったな】
そう、セレナとパーティーを組んだ者達はことごとく奇襲をうけ、そして同じように嘘を吐かれる
いつしかセレナとパーティーを組もうという者も居なくなり
街を歩くのすらたまらなく億劫になってしまうほどにセレナの悪名は広がってしまったのだ
セレナ【せやからあいつらの悪事をバラそうと努力した、せやけどあいつらはわざわざ変装アイテムまで使って名前までかえて待ち伏せして・・・結局なにもできへんかった、せやからうちはそっからそのゲームはログインすらせんようになってそのまま終わりを迎えたんや】
そう、パーティーを組むのが怖い
同じようになるのではないかと、どこかで見られてるのかもしれないと
そしてなにより、パーティーメンバーからあの目をされるのが辛い、罵詈雑言を浴びせられるのが辛い
好きなゲームだっただけに、終わりに立ち会えなかったのが凄く残念で、心残りで・・・
最初はする気はなかったが、どうしてももう一度VRの世界に入りたかった
だからこのゲームの世界に来た
今度は一人でほそぼそとやっていこうと思った
前衛のジョブを使おうとも思った
しかし、後方支援のジョブがなにより好きでどうしてももう一度使いたかった
あの場所に戻れずとも、新しいこの場所で自分なりにまた一歩踏み出そうと思った
誰のちからも借りずに、誰とも馴れ合わずに
セレナ【そのつもり・・・やったんやけどなぁ】
ちらっと彼方達を見る
楽しかった、とてもとても楽しかった
まるで昔の一番楽しい時期に戻ってきたかのようなそんな気持ちだった
だからこそ、この人達に迷惑がかかるのが怖かった
またあの目をされるのが怖かった
だから、この関係はここまで
この思い出があればあと少しぐらいならひとりでも遊べるだろう
だから・・・
セレナ【せやから、ここでお別れや、クエストの報酬はあんたらにやる!楽しい時間を過ごさせて貰ったお返しやと思って受けとってぇな】
遺跡内部から地上に戻ってきたセレナは四人の方に向き直って笑顔でそう伝える
その表情はどこか寂しげで今にも泣き出しそうに見えた、しかし満足している
とても楽しかったと嘘ではないとその言葉は伝わってきた
男【そこにいるのはセレナじゃねぇか?なんだまたカモを俺達の前につれてきてくれたのか】
最後の楽しい時間を引き裂くゲスな声を聞くまでは