第一章2ページ
『私はメディナあなたをガイドとサポートする役目を任せられました』
彼方【ならこの状態を何とかしてくれっ】
メディナと名乗る球体の言葉を聞き藁にもすがる思いでそう叫ぶ
『ではチュートリアルを始めます』
彼方【俺の言葉を聞けよ!】
しかし返ってきたのは無慈悲な返答
そもそも会話になってすらいない
『まずはメニュー画面の開きかたからです、大きな声でひらけごま!と叫んでください』
彼方【そんなんでメニュー画面開いてもこまるんだが・・・背に腹は代えられないし、ひらけごま!】
もちろんメニュー画面なんか開かない
『叫んだところで何も起きず恥ずかしい気持ちにだけなります』
彼方【をい!ふざけんなっ】
『メニュー画面を開きたいなぁ、ぐらいの気持ちで思考をするとメニュー画面は開きます』
その言葉はすでに信頼度は0であるが頭の中でメニュー画面開きたいなぁと呟く
ピロン♪という音と共に目の前にメニュー画面が開く
彼方【開いちゃったよ・・・】
『では次に戦闘についてです、武器は基本的には背負っている描写になっていますが設定で変更し消すことも出来ます、武器を装備と念じれば手に武器が現れます、もちろん描写オンの時に実際に抜くことも可能ですので好きな方をお選びください』
『システムがアシストしますのである程度無茶な動きでも再現は出来ます、ただし攻撃はしっかりと相手に当てる、かわすを行わないと当たらず当たります』
『次に・・・』
彼方【ちょっとまって、そろそろこの状況なんとか出来る方法おしえてくれませんかね?】
地面がかなり近くなってきていることに焦りを隠せない彼方
かなりの高さから落ちているので地面に激突すれば確実に死ぬだろう
『では次に空を飛ぶ方法について』
彼方【えっ、マジで空飛べんの、実装されてるんだ】
フリーディアオンラインの発売発表の情報と共にゲーム内容が少しずつリークされていた
その中に大地を駆け抜け、海を泳ぎ、大空を自由に飛び回る
との一文がありPVでも確かに空を飛んでいる姿が確認されていた
空を飛べる、その魅力に惹かれフリーディアオンラインを待ち望んでいたものは多数にわたるだろう
なにせ彼方もそのうちの一人である
もちろんRPGは昔から大好きだった
さらにVRMMOの最先端でまったく新しい試みがいくつもされているとうたわれていたこのゲームに期待しないわけがない
リリースの日をどれだけ待ち望んだことか
今日この時間まではまさか空中に放り出されるとは思ってもみなかったが
等と頭の中でいろいろ懐かしむように振り返っていたが次に発せられたメディナの声で我に返る彼方だった