第二章14ページ
セレナ【うちはここに来る前にやってたゲームではあるギルドに入っとたんや、そこのギルドはそこそこに大きいて人も多かった、ただ途中からは楽しむよりかは上を目指す思考が強かった気がするわ】
セレナが入った時はすでに結構な人数がいたようだ
そのときはまだ和気あいあいとし楽しい雰囲気だった
会話の数はそこまで多くはなかったがくだらない会話や冗談がちらほら聞こえるほどだったらしい
だがある時を境に少しずつギルドの雰囲気がかわっていった
そのゲーム内でもそれなりに有名なプレイヤーをギルドに招き入れたところかららしい
そのプレイヤーは実力主義で能力はとても高かった、イベントにはソロにも関わらず上位に食い込むレベルの男だ
そしてギルドに入って開口一番その男は言ったそうだ
男【俺が入ったからには弱いやつはギルドにはいらねぇ、一週間毎にノルマを達成できてないやつは全員切る】
その言葉通り、一週間後にエンジョイ勢だった者達は軒並みギルドから追放されてしまった
セレナは援護系の職業だったのでよくギルドリーダー達と行動を共にしていたためなんとか毎週ノルマは達成していたようだ
そうしてギルドには実力主義のメンバーだけが残り、ついていけないものは離れていった
セレナも何度も抜けようと思ったが職業が職業だったためにソロプレイはほぼ絶望的だったため、必死についていっていた
しかしある時事件が起こる
それはそのゲームが終わりを迎える一年程前の事だ
ギルドのリーダーがどこからかこのゲームが一年程でサービス終了するという噂を聞いたらしい
実際噂は正しかったのだが、その噂にはもう1つ情報がついていた
なんでもサービス終了間近に実装されるラストイベントでいい成績を残し上位に入賞すると今開発中で話題沸騰のVRMMO、フリーディアオンラインのβテストに参加することが出来るとのことだ
もちろんギルドのメンバーも沸き立った、なにより男がとても興奮していたようだ
必ずβの権利を手に入れると
そしてその後すぐに一年後にサービス終了する旨と共にラストイベントが実装された
サービス終了前に実装されると思ったものがすぐに来たのだ
そしてそのイベントの内容が
彼方【時間内にどれだけのダメージを与えることが出来るか、だったかな】
セレナ【知っとるんか!・・いや、知っとるやろうな、いろんなゲームしてきてるって言ってたしな、せやそのイベントのせいでもっと酷いことになったんや】
リル【確か、あれってバフ、デバフ無効のフィールド効果があったよね】
彼方【あぁ、純粋な火力を競うものだった、だからこそ援護系の職業の奴らはあのイベントのせいで肩身が狭くなった】
セレナ【せや、ただただ火力だけを求めたイベントやった、そのせいでギルドからまたメンバーを切って火力の高い人を勧誘していきよった、必ずβテストに参加させたるってふれこみをしながら、な】