第二章10ページ
彼方【やっぱレベル低いし武器もしれてるしで火力はあんまのびねぇな】
リル【そもそも彼方の場合は相手が動いてないことが前提条件でしょ?】
彼方【大剣は隙が大きいからなぁ】
三人の会話をよそに二人は二人の世界に入っている
連携がうまく決まったためか軽いトランス状態なのだろう
しかし、ドラモリは腐ってもドラゴンである
体力は確かに残り三割だがいにしえよりドラゴンとは強い生き物であると相場が決まっている
追い込まれれば追い込まれるほど強くなるのもまたドラゴンなのだ
起き上がったドラモリもその例にもれなかったようだ
咆哮をすると体表の色がかわる
毒々しい紫から赤色へと変化したドラモリは口から炎の息を吐き出す
先程は卵の腐ったようなガスを吐いていたが今度は本物の炎だ
そしてその炎をみた瞬間セレナが叫ぶ
セレナ【アカン!全員伏せるんや!】
セレナの言葉が終わると同時に目の前で大爆発を起こす
そう、先程吐いた臭いガスに炎が引火したのだ
そしてここは遺跡内部の狭い通路、充満していたときよりは薄くなったとはいえガスはまだ存在していたために爆発を引き起こした
その爆発は遺跡内部の岩を吹き飛ばし古代遺跡と思われる金属の壁が現れる程の威力であった
彼方【みんな・・・大丈夫か?・・】
リル【なんとか・・】
ギリー【げほっげほっ、めっちゃ砂口に入った】
ポン太【体の関節に砂が入ってめっちゃ動きづらい】
四人はなんとか石の下から這い出してくる
体力は彼方が残り三割、他の三人は五割と大ダメージを受けていた
彼方【セレナは!セレナはどこだ、リル、ギリー、ドラモリの注意を引いててくれ】
セレナの声だけがせず辺りを見回しながらそう二人に伝えると岩の下を探す彼方
あれだけの攻撃だ、直撃すれば間違いなく今のレベルでは一撃でお陀仏だっただろう
それが奇跡的にも四人は無事だった
つまりセレナが何かをしたのだと直感したのだ
そして彼方は岩の下から体力が残り一割を切ったセレナを見つけ出した
彼方【セレナ大丈夫か?】
セレナ【あぁ、なんとか・・耐えれたみたいやな・・みんな・・・無事か?】
息も絶え絶えながら彼方に確認する
彼方【あぁ、お前のおかげでみんな無事だよ】
セレナ【そらよかった・・・あぁ・・またやってもうた・・堪忍な・・うちこんな性格やさかい・・】
彼方【いいから喋るな、回復水をすぐに飲ませてやるからそこでじっと寝てろ】
セレナ【ええ・・例え死んでも教会に戻るだけや・・アイテム使うんはもったいないよって・・】
しかしセレナは彼方の手を拒むとゆっくり目を閉じる
セレナの体力は徐々に減っていき0になってしまう




