第七章〜15ページ〜
黒マントの男はその姿を現した後にその場にいる皆に視線を一度送りすぐにメディナへと視線を移動させる
動かなくなったメディナを見て満足そうに笑みをこぼしながらゆっくりと口を開く
黒マントの男
【君は少々喋りすぎだ、情報を渡しすぎるのはよくない・・・よく言うだろ?知識は武器である・・と、それにゲームがつまらなくなるからね、なによりも対策をうたれるのは我々も困るところなのだよ】
意識を失ったメディナへとそう告げればその場にいる彼方達の方へと視線を戻す
突然現れメディナを襲った未だ正体も掴めないこの男から感じる未知の脅威、歴戦とも言えるゲーマー達が一堂に会するこの場でも物怖じすることも無くむしろ飄々としている
ここに集うのは現状この世界に数あるギルドの中でもトップと言っても過言ではないギルドの集まり
その敵地のど真ん中に1人で乗り込みその態度とは裏腹に隙は無く余裕綽々といった様子で殺気すらも見せていない
そんな男の態度にライムは腹を立て相手にむかってゆっくりと近付き下から見上げる形で睨みつける
ライム
【おいおい!お前いきなり現れてなんの真似だよ!僕達が誰か知っててこんな事してるのかよ!いいか、僕達は・・・】
バヂッ・・・という音と共にライムの体力は消し飛ばされその場から消え去ってしまう
その場にいた全員が一気に戦闘態勢へと移行するもここは戦闘不可エリア、当然武器を抜くことも出来なければ魔法も発動出来ない
しかしそんな男の背後から炎魔法が渦を巻き襲いかかる
男
【おやおや、こちらは正当防衛をしたまでだよ?あぁ、でもよく考えたらこの世界のシステムではここでは被害を出してはいけない場所だったね】
その炎魔法をひらりと躱しやれやれとくびをふる、自分の正当性を説明しながらふとこの場所は戦闘不能エリアである事を思い出しパチンと指を鳴らす
その指の音と共にドサリ、と先程消し飛ばされたはずのライムがその場に戦闘不能前の状態で呼び出された
ライム
【っ!?い、いったいなにが!?】
戦闘不能になり教会に送られたはずの自分がなぜかまたこの場所に戻されている事に驚き周りを見渡す
男
【ははは、ルールを破った事に対するお詫びだよ・・それと先程こちらを攻撃した君も姿を現したらどうかな?】
ライムにたいしそれだけ言うとすぐさま背を向けて自分に向けて魔法を放ったであろう相手にむかって声をかける
その声をかけられた相手は少し悩むそぶりを見せゆっくりと廊下の奥から男の方へと歩みその姿を現す