第七章〜2ページ〜
翌日、ふと目が覚めた彼方
カーテンの隙間から日差しが差し込み、その日光により起こされたようだ
ゆっくりと上体を起こし体を伸ばす
彼方【ん〜〜よく寝た、自然と目が覚めるあたり俺も成長してるって証・・・】
瑠璃【登校5分前だよ?】
彼方【いそげおれぇぇぇえ!】
瑠璃のまさかの言葉に飛び起きて急いで服を着替える
いくら自由とはいえパジャマで登校した日にはいい笑いものである
バタバタと服を着替えカバンを持ち玄関に走り、待っている瑠璃の隣に並ぶ
彼方【せ、せめてもう少し早めに起こしてもらえませんかねぇ?】
瑠璃【高校生にもなって起こされなきゃ起きれないのは恥ずかしいと思うけど・・・】
彼方【ぐうの音もでねぇ】
瑠璃の完璧な反論に言葉を失う彼方、パンをくわえて家を飛び出し学校へとかけていく
いくら自由とはいえ遅刻しては尚の事お笑い草だ
なにせマスターギルドなるもののギルドマスターなのだから
始まりの街にいる他のプレイヤー達に示しもつかない
彼方【そういや今日は今日でマスターギルド会議とかいうのがあったっけか】
瑠璃【うん、どんな人がいてどんな会議になるか気になるよね】
彼方【根拠はないけど俺はすげぇ嫌な予感がするよ】
そこはかとなく嫌な予感だけはする
そもそもそういう会議に良い思い出がない
他のゲームでの話にはなるが、彼方達もそういう会議に出たことがある
最初の方は良かったが途中とある話題により2つのギルドが真っ向からぶつかり話し合いが難航
そのあげく周りのギルドへと飛び火
片方は多数決で決着を
片方はギルド対ギルドの戦闘で決着を
話は平行線上を移動し、最終的には2つのギルドが会議から脱退
その後ゲーム内で出会うたびにギスギスした空気を醸し出しゲームそのものの雰囲気を悪くした
という事件があった
2つのギルドは共に実力はトップクラス
リーダーも別々の分野ではあるがゲーム内トップランカーとして君臨する程だった
それだけにその2つのギルドがぶつかり脱退したことはデカくその後の会議は長く続かず廃止
ゲーム内の1つのコンテンツが死んでしまったのである
彼方達のようなエンジョイ勢やライト勢と呼ばれる層にはそこまでのダメージはなかったが
ガチ勢と呼ばれるプレイヤー達からすればとてつもない痛手であった
トップランカー達から今まで共有されていた情報の8割方が無くなったようなものだ
結果、それによりゲームをやめる者達が少しずつ増えていき、最終的にはサービス終了を迎えたのであった