第七章〜1ページ〜
メディナ【では明日の夜21時から、このギルドハウスにある転移装置に乗り隠匿の廃墟、へと移動してください、そこはマスターギルド会議のときにのみ使用可能になる場所です】
時間、場所、行き方をメディナに教えてもらいデータベースへと情報を残す彼方
そして翌日の会議の事でふと気になった点を質問する
彼方【他の街のギルドのトップがとりあえず一同に集まるんだろ?もしもそこで喧嘩にでもなったらどうするんだ?】
メディナ【戦闘禁止区域ですし、なによりも守衛もいます、司会進行役のメディナもいるので間違いが起こることは無いでしょう】
なるほど、もしもの事も考慮されてるようだ
それを聞いて安心したように彼方はほっとため息をつく
彼方が気にしたこと、実は的外れというわけでもなく
各街のトップであるギルド、そこまではいいが
その称号に踊らされて傲慢な態度をとる輩がいるのは確かだ
以前していたゲームでも同じようなシステムがあり、そこに名を連ねたギルドが他のギルドを見下し、結果戦争が勃発
プレイヤーキルぐらいなら可愛げがあったものの、獲物の横取りやギルドに所属しているだけの関係のないプレイヤーへの嫌がらせなど、見ていて吐き気化するほどの事もあった
運営がそれを見て見ぬふりをし、問い合わせにも応じず放置
その結果人が離れ、運営が動き出した時には既に遅くサービス終了へと向かった
そんなゲームもあったからだ
メディナ【ではそういうことです、私は他のギルドへと残りの報酬を渡しに行きますのでこれで】
ぺこり、と頭を下げるとメディナはすっと姿を消す
彼方【じゃあ明日の21時からのマスターギルド会議にはリルついてきてくれるか?】
メディナが去った後に彼方はリルに声をかける
何があるかわからないのもあり、一番動きやすいリルを連れて行くのが一番だと判断したからだ
リル【わかった、何かあれば彼方を盾にすればいいんだよね】
彼方【なにも起こらねぇとは思うけどな?】
そしてその日はそれぞれゲームからログアウトしていく
彼方は一応ぐるりとギルドハウスを見回り、転移装置を覗き込む
彼方【ぼっとん便所かよ・・・】
もはや絶滅したのではないかと疑う言葉をぽつりと呟きながら転移装置と呼ばれている物体・・・井戸のような物を覗き込む
中は真っ暗でどこまで続いてるかわからないそれを転移装置とは呼びたくなかった
リル【まるでお化けとか出てきそうなやつだよね】
彼方【ほんとにな、で?落ちたんじゃ無かったのか?】
リル【落ちようと思ったんだけどね、彼方に謝ら・・・】
彼方【イベント、クリア出来てよかったな、男の子無事だったんだろ?】
リル【・・・うん】
彼方【なら、今はそれでいい、後は決心ついたら話せよ】
リル【ほんと、ずるい、でもありがと】
ぽつりとそう言って少し笑顔を見せればそのままログアウトしていくリル
彼方も笑顔を返し、同じくログアウトするのであった