第一章12ページ
しばらく歩き森を抜け街へと戻ってきた二人
さっそくミリアルのところへクエストの報告をするために向かう
クエストは基本的に受けた相手へと報告を完了するまでが一連の流れの最後になるため一部例外を除き必ず報告をする必要がある
もちろん嘘をつくことも出来るのだが、ちゃんとクリアしてきたかどうかを判別する方法があるようで嘘をつくとすぐにばれるうえにAICブラックリストにのり同じ街の他のAICからクエストをうけることが出来なくなるのだ
またそれだけではなく商品が値上がりしたり宿に泊まれなかったりと結構悲惨な未来が待ち受けているのだ
もちろんこの情報に関しては開発・設計段階から公式より発表されていたのでほとんどすべてのプレイヤーは周知の事実ではあるのだが
面白半分、または検証のためと称して開始数分で何人かはブラックリストに入っている
ブラックリストに入ってるかどうかは街の入り口にある石碑に名前が浮かび上がるためすぐにわかるのだ
ミリアル【やぁ、冒険者達、おかえり!どうだった?】
彼方【あー、一応群れは倒した】
ミリアル【流石冒険者だ、とても助かったよ、今残りの報酬を・・・】
ミリアルが報酬を渡そうと彼方達に手を差し出す
がその手をすっと横に反らし彼方は言葉を続ける
彼方【群れは確かに倒したんだけど、群れのリーダーは倒せなかった、多分悪さをすることはないと思うけど逃がしちゃって、だから報酬は受け取れない、返せって言うなら回復水も返す、すまない】
彼方はありのまま起こったことを話し頭を下げる
リルも同時にごめんなさい、と頭を下げる
ミリアル【強さと優しさを兼ね備えてこそ冒険者である、君達のしたことは確かに僕のお願いを破棄したのと同じだけど、それ以上に大切な事を君達はしたと思う、だから報酬を受け取ってほしい】
二人に頭をあげるように伝えもう一度報酬を渡すために手を彼方達の前に差し出す
確かにクエストは失敗したも同然だが二人の行動にはクエスト報酬を渡す価値がある
ミリアルはそう判断したらしい
そんな言葉と姿を見せられたら断ることも出来ない
彼方【ありがとう、もしまた何かあったら言ってほしい】
ミリアル【あぁ、もちろん君達に率先して連絡をしよう、これは僕からの信頼の証だ】
ミリアルの手に彼方が手を重ねると報酬を受け取ることに成功する
報酬は二分されリルの方にも同じ報酬が入る
更にチャットの連絡先にミリアルが追加される
これによりなにかあると優先的にクエストを頼んでくれたりお得な情報を貰えたりするのだ
もちろんクエストをうけるかどうか自由であり、たとえうけなかったとしても連絡先が消えたり好感度が下がったりすることはない
その後二人はミリアルと別れ当初の目的であるデイリークエストをうけるために街の中へと歩いていく