第六章〜10ページ〜
麒麟【おのれぇっ!だがまだ奥の手は残っている!】
そう声高に叫べば全身の毛を逆立てて自身に雷を落としそれにより擬似的に角を復活させたのだ
カヤの目の前にまた雷球を作り出す麒麟は勝利を確信しその雷球を撃ち出す体勢にはいる
マイナ【させるかよ!もう一発連射でぶち込んでやる!】
先ほど一発放った際には吹き飛ばされたその衝撃波を根性で耐え、射角を調整し固定もそこそこに二発目を発射する
バンッと空気が弾ければ火薬の匂いなど感じさせることもなくその威力と反動でヘビーライフルは銃身から粉々に砕け散りさらにマイナ自身もその反動により先程よりも激しくふきとばされる
その反動によりマイナの体力は一瞬で消し飛ぶ
しかしその渾身の一発の弾丸は麒麟の雷球を撃ち貫き新しく生えた角をズガンッ!と撃ち抜き粉々に粉砕する
今度こそ麒麟は多大なるダメージと共に痛みに顔を歪ませながら唸り声を上げる
カヤ【終わらせます・・・我流・一閃】
体を半回転させながら麒麟の首元に飛び込み、さらに半回転しつつ一気に太刀を振り抜く
バシュッという音と共に確かな手応えを覚えそのまま地面に着地するカヤ
背後で麒麟はその巨体を揺らしゆっくりと倒れ込みながらその姿が徐々に歪んでいく
大きな音を立てながら崩れ落ちると同時に砂煙を巻き上げる
そしてプレイヤー達の目の前に
ファイナルウェーブクリア
その文字が浮かび上がりフリーディアオンライン最初のイベントは終わりを迎えるのであった
彼方【終わったのか・・・】
ギリー【主人公空気で草】
ポン太【後半なんもしてなくて草】
彼方【うるせぇ!あんなもん間に入ったらもれなく俺に風穴開くわ!】
みにか【ねぇ、見て麒麟の死体がない!】
そんなコントを繰り広げる3人の横からみにかが声を上げる
砂煙が晴れたそこに麒麟の死体は無かった
バロン【途中姿が揺らいでたのもあるし爆散したのでは?】
カヤ【はっきりとは見えませんでしたが、何者かがあの馬を転送したように見えましたよ】
ゆっくり歩き近づきながらカヤはそう告げる
砂煙で姿までは確認出来なかったものの気配を感じたとのことだ
リル【もしかしたら運営側がなにかしらしたのかもね】
彼方【可能性はあるよな、なにせあんな巨大なエネミーを作り出すぐらいだし・・・ってリル!?どこ行ってたんだ今まで!】
突如背後からかけられた言葉に普通に返しながらも途中でリルだと気づけば疑問をぶつける彼方
しかもファイナルウェーブ開始とほぼ同時にだ
リルほどの腕なら簡単にやられる事はないだろうし
先程の戦闘では全くと言っていいほど姿が見えなかったのだから




