第六章〜9ページ〜
見た目からその武器が重いことがよくわかるほどの巨大なヘビーライフルを片手に高台に移動しているマイナ
大口径のそのライフルを地面に置くと固定するための杭がドンッ!と地面を抉るほどに突き刺さる
もはや対人用ではなく対巨大兵器又は怪獣相手の武器なのではと思わせるほどだ
つまり、今回の麒麟相手にはもってこいの武器だろう
スコープを覗き照準を合わせそしてトリガーを引き絞る
マイナ【普通の弾じゃなくてこいつは対巨獣弾だ、風穴あけてやる!ファイヤ!】
銃口から巨大な弾丸が放たれる
それはさながらドリルのように高速回転し麒麟めがけて一直線に突き進む
放たれた衝撃でマイナのヘビーライフル周辺の地形が軽くクレーターのようにへこみ、トリガーを引き絞ったマイナ自身も後方へと吹き飛ばされていた
そしてその弾丸は地面を風圧と共に抉りながらその軌跡を描き麒麟の胴体を貫く
その威力と風圧により麒麟の体が軽く空中へと浮き上がる
麒麟【ガッ!】
胴体を貫かれた瞬間口から血を吐き悲鳴にもならないうめき声をあげる麒麟
何が起こったかわからないままに体を貫いた弾丸によりダメージを受ける
麒麟【いったい・・・なにが、そしてどこから・・・】
グググッと倒れそうになる体を支えて撃たれたであろう方向へと視線を向ける
白煙を上げながら高台に巨大なライフルが固定されているのを見ればすべてを察し、痛む体を引きずるようにしつつそのライフルの方向へと走り出す
がしかし、その麒麟の目の前に一人の影が飛び出す
カヤ【隙あり・・・切り捨てる!】
ヒュンッ!風を切るその音が響き
ドシュッと麒麟の前足の肩口がバッサリと斬られる
麒麟【ぐはっ・・・貴様等!】
肩口を切られればズンッと片足つく形によろめき倒れ込む
反撃とばかりに雷をカヤに向かってバチバチと落雷の如く降り注がせる
カヤ【っ!見せたくなかったがここはこれで!】
そう叫ぶと降り注ぐその雷をカヤは・・・壁のように蹴り跳躍し麒麟へと再度肉薄する
彼方【雷を蹴った?】
みにか【システム的に可能なの!?】
流石にその動きに彼方達は驚きを隠せずそれぞれ声を上げる
しかしそんな彼方達よりもさらに驚きを上げていたのは麒麟であった
麒麟【雷飛び!?いや、まさか貴様その技は!だとしてもやらせるか!】
カヤの動きに驚きながらも奥の手と言わんばかりに目の前に巨大な雷球を召喚する
位置的にもカヤには絶対に躱せないその攻撃は
バシュッ!弾丸が角を撃ち抜きわずかに残っていたその角を粉砕する
それによって雷球は霧散するのだった




