第六章〜7ページ〜
バロン【リアルであれだけの電撃受けたら黒焦げどころか消し炭なんですがそれは】
降り注ぐ雷撃を躱しながらバロンは冷や汗を流す
彼方【んなこと言ってる場合じゃねぇだろ、一旦散開だ!電撃は足元のマークだけに頼ってちゃ避けきれない!頭上から降り注ぐ雷を予測して躱せぇ!】
そんな余裕があって無いバロンにツッコミながらもその攻撃に対抗するために彼方は声を上げる
グラント【一番難しい事を簡単にいってくれる!お前ら、上下を気にしすぎて敵への意識を疎かにするなよ!】
彼方とグラントの言葉にプレイヤー達は雷撃の前兆である足元の赤いマーカーに対処するために下を向き、そしてランダムに降り注ぐ雷撃に対処するために頭上を見上げかわす
グラントはそう言っているがそんな動きをして麒麟へと攻撃するどころか意識を向けることが出来るプレイヤーは少ない
その隙を狙われ麒麟の角から雷撃が放たれ、足元や頭上に気を取られているプレイヤー達が撃ち抜かれ体力を削られまた一人と脱落していく
この攻撃が始まってから戦場のプレイヤーの人数はかなり減ってしまっていた
緑【しぬしぬしぬっ!ほんとっ!もっ!むりって!】
レンジ【いででででっ!フライパンに雷落ちるのほんとかんべんしてくれたまえよ!そんなとこリアルに作らなくてもっ!】
緑は息を切らせながらもなんとか雷撃を避けていくももはや時間の問題、徐々に雷撃に当たりそうになっていき
レンジは背中に背負っているフライパンに雷撃が吸い寄せられるかのように連続で降り注ぎ
その余波で微弱な電流を背中から受け少しずつ体力をへらしていく
カヤ【でやぁぁぁぁぁぁっ!】
気合一閃!その雷撃をすべて躱し跳躍、その角へと肉薄して太刀を振り抜く!
麒麟【ぐっ!?】
戦場の阿鼻叫喚のその様子にご満悦に浸っていた麒麟はカヤの接近に気付くのに遅れ防御も回避も間に合わず
ガッキィィィィン!と金属音が鳴り響き弱点である角へと重い一撃が直撃する
その一撃は角へと確かな傷を残し、更にガリッと麒麟の体力バーを削る
カヤ【ここだ!斬り落とす!】
振り抜いた太刀をすかさず切り返し今まさに傷をつけたその場所へと最大の力を込めて振り抜く
キィンッ!と先ほどの金属音とは違い小さく静かな金属の触れ合う音が響きわたり
その後少しして、ドンッ!と地面への衝撃音が響く
麒麟とプレイヤーの間には巨大な角が根本から真っ二つに斬られ地面へと落下し突き刺さっていた