第六章5ページ
カヤ【なんだこの手応え!?】
まるで鉄を叩くような音、そして思った以上の硬度
たかが鉄なら斬れないはずがないカヤにとってその手応えはとてつもなく異常だった
グラント【こいつの体は異常だな、槍が通らない】
自慢の槍を弾かれながら体勢を整える
手元に響くその手応えだけでその体の硬度が異常であることがグラントにも伝わったようで冷や汗を流す
シオン【物理が駄目なら魔法だよっ!アクアストライク!】
水属性の魔法を放つシオン
しかし、体に当たった魔法はヒットエフェクトを出すよりも先に砕け散った
リいぬ【魔法が効かない!?】
アロ助【どちらかというと当たってすら無いようにみえたケド】
そう、普通魔法や物理攻撃は当たったかどうかわかりやすく控えめながらにヒットエフェクトが出るようになっている
出なかった場合は避けられた時や無効化された時などだ
マイナ【ならこいつはどうだ!】
アサルトライフルを連射し、片手でシュツルム・ファウストを放つ、その姿はもはや歩く武器庫である
その全ての銃弾と爆発はやはりヒットエフェクトを伴うことはなかった
麒麟【無駄だ!貴様達の攻撃ごときで私は傷付けられることはない!】
麒麟はそう言うと地面を踏み抜いて隆起させる
更にその隆起した地面を蹴り飛ばして大量の大小さまざまないしつぶてをプレイヤー達に向かって放つ
レンジ【おわっとと!こいつは流石にまずくないかい!?】
そのいしつぶてをフライパンで防ぎながらもダメージが入らない事に焦りを感じるレンジ
ギリー【体の防御力が異常すぎる、まるで攻撃が通ってない、いや攻撃が当たってないレベルだぞ】
何度やっても誰が攻撃しても結果は同じ
ヒットエフェクトは出ず更にダメージも通らない
そんな苦戦を強いられている中で彼方が声をあげる
彼方【アロ助とギリーの言う通りだ、恐らくあたってないぞ、体に当たる前に何かシールドみたいなものに遮られてる】
みにか【ハッキリと確認したよ、薄くて見にくかったけど攻撃や魔法が当たった瞬間にシールドがみえた】
みにかの言葉に他のプレイヤーもそれぞれ攻撃が当たる瞬間に目を凝らす
そしてシールドの存在を確認し理解を追いつかせた
セレナ【せやけどどうするんや?それがわかってもダメージ与えられへんって最悪の事がわかっただけやで?】
彼方【1つ気になることがあるんだ、シオン!あいつの角を狙って魔法を撃ち込んでくれ】
シオン【オッケー!行くよ!フレイムストライク!】
彼方の言葉に頷いて麒麟の角目掛けて炎の魔法を放つシオン
その魔法を麒麟は顔を反らして躱す
その姿を見て彼方は確信を得るのであった




