第一章11ページ
ウルフリーダーデスは二匹のチビウルフデスを背中に乗せると一度雄叫びをあげる
そして二人に近付きリルにすりよる
リル【もふもふ】
そんなウルフリーダーデスを撫でながらご満悦の表情をリルは浮かべる
リルから離れ彼方の目の前に来ると頭をたれる
恐らく感謝の気持ちを伝えているのであろう
彼方はリルと同じようにウルフリーダーデスの頭を撫でようとすると急に手に噛みつかれる
彼方【いててててっ】
ぶんぶん振り回しやっとのことで手を口から引き剥がす
彼方【やっぱり斬った方が良かったんじゃねぇか・・】
そんな悪態をつきながら理不尽な扱いにウルフリーダーデスを軽く睨み付ける
リル【噛まれたのに体力減ってないね】
彼方【んあ?あぁ、ほんとだ】
通常どんな些細な攻撃でも敵エネミーからの攻撃ならばダメージはうける
もちろんスキルなどによっては例外もあるが
ダメージを受けないということはつまり友好的な存在だと認識されているからである
ふと視線を上げウルフリーダーデスの名前を見ると先程まで赤かった名前が今は緑色にかわっている
彼方【他のやつからは何色になってるのか気になるな】
リル【赤かもね、うちらはこの子達と仲良くなったけど他の人達からしたらエネミーだろうし】
彼方【なら、他の冒険者に討伐されたりしないように気を付けろよ、見つからないところでのんびりひっそり暮らしていけ】
ウルフリーダーデスは大きく雄叫びを上げそれに続くようにチビウルフデスも雄叫びをあげる
そして3匹は森の中へと消えていくのであった
彼方【さて、戻ったらなんて説明しようかな】
リル【群れは全滅させたけどリーダーにはあと一歩で逃げられたとかは?】
彼方【もしそれで追撃のクエストとか出ても面倒だし、他の冒険者に頼んであいつらが討伐されたりしても可哀想だしなぁ】
リル【なら正直に話すしかないんじゃない?】
彼方【やっぱそうなるよな、報酬は無しかなぁ、結構頑張ったけど、てかリルは見逃して良かったのか?俺がほぼ独断で決めたみたいになっちゃったけど】
リル【いいんじゃない?彼方がああゆう感じに甘くて弱いのは知ってるし、それにダメなら回復なんてせずにうちがとどめ刺してるよ】
彼方【それもそうか・・サンキュー】
リル【もう慣れてるよ、どういたしまして】
二人は起こったことをそのまま説明することで合意し森から街へと歩みを進め始めた