第五章23ページ
ポン太【きぇぇぇぇえああぁシャベッタァァァ】
ギリー【ネタが古いよ】
一同いきなり喋り始めた目の前の麒麟という名のエネミーに驚きを隠せずにいた
確かに上位のエネミーには一部言葉を喋るものもいる
そんな存在があるのもゲームならではの設定だ
しかしやはり目の前でその光景を見れば何度でも驚くのは仕方あるまい
なにせこの世界にいるAIはレベルが違うのだから
麒麟【答えよ、なぜこの世界を滅ぼそうとする】
麒麟は再度問いかける
彼方【滅ぼす?意味が分からねぇんだが】
みにか【どっちかというと滅ぼそうとしてるのはそっちだよね?】
セナ【せやせや!うちらの暮らし始めた街を吹き飛ばそうとしよってからに】
彼方達の言葉を聞いた麒麟は少し間を置いて
麒麟【汝らはこの世界の真理を知らない】
バロン【真理もなにも俺ちゃん達つい数日前にこのゲーム始めたばかりですからねぇ】
緑【うん、そこに行き着く以前の問題だよね】
マイナ【俺達はこのゲームをまだまだ遊び始めて間もない、てめぇの言う真理なんざに到達するのはまだ先の話だぜ】
麒麟【この世界を守るのが我らの使命、よって害になるものはすべて排除する】
そう言葉を紡げば一度いななく、すると麒麟の周りに炎が纏わり始める
ナナ【じゃあ私だって先輩との邪魔をする輩は排除しちゃうんだからね!】
ネネ【ナナと同意見です、お兄ちゃんとの愛の時間を奪うなら容赦はしません!】
レンジ【いまいち言い分も理解出来ないからね、僕も抵抗させてもらうよ】
それぞれは武器を構えて麒麟の出方を伺う
そして麒麟の体が揺れたと思った次の瞬間、麒麟は目の前まで迫り
体に纏った炎を突進の速度をつけた勢いで彼方達へと放ってきており
彼方達がそのことに気付いた時には既に回避不能の位置まで炎ほ迫っていた
セレナ【ガードキャッスル!】
両手の盾をガチャリと組み合わせて地面に突き刺すとそのまま左右上下にバリアフィールドが展開される
炎ほそのフィールドに阻まれて激しく爆裂し消滅してしまう
バリアフィールドには傷は一切ついていなかった
セレナ【城に迫った危機を救うための技・・・っちゅーだけのことはあるな】
ポン太【いつの間にそんな凄い技を】
セレナ【さっきの今や、あの馬が喋っとる間にスキルポイント振ってたら覚えれたさかい、さっそくつこーてみたっちゅーわけや】
バリアフィールドを解除して盾を地面から引き抜きながらポン太へと説明してやり
セレナ【さぁ、外門への攻撃はうちが止めたるさかい、あんたらはあの馬を馬刺しにでもしてきー】
彼方【そいつは心強いな】
彼方達は麒麟へと向き直り武器を握りしめる
そんな雰囲気の中、一人だけわなわなと震えているものがいた




