第一章10ページ
雄叫びと共に地面に激突し燃え盛るウルフリーダー激怒デス
体力が徐々に削られていき赤く染まっていく
体力が赤くなれば残り10%を切ったという証拠だ
ちなみに元々緑色で50%を切ると黄色になる
残り1割程のところで炎は消える
しかし起き上がってくる気配はなく弱々しく地面に倒れたままでいる
彼方【流石にもう動けねぇだろ】
リル【狸寝入りの可能性もあるけどね】
彼方【狼だけどな】
二人は警戒を緩めずにゆっくりと近付く
まさしく虫の息だろう、残り1割程度の体力で動けないためかるく剣で斬るだけで倒せる
そんな状態だ、動くこともままならず目だけは二人を見ているがどこか諦めの表情にも見える
そして名前もウルフリーダー完敗デスにかわっていた
彼方【名前で会話してくるなよ】
そんな名前を見てため息をつく彼方、隣のリルに目をやり呟く
彼方【さて、どうする?】
リル【とどめ刺さないとじゃないの?】
彼方【いくらモンスターでも無抵抗の相手を倒すのは気が引けるんだけど】
リル【でも倒さないと依頼達成にはならないよ?】
彼方【まぁ、そうなんだけどね】
ごめんな、そう一言呟いて剣を振り上げる
振り下ろそうとした瞬間目の前に小さなウルフデスが二匹飛び出して彼方に体当たりをする
直撃をうけ後ろに倒れる彼方の体力は1割ほど削られる
彼方【痛くないけどいてぇ】
体力的にはたいしたダメージではないが精神的なダメージは大きかったようだ
ゆっくり立ち上がり二匹のウルフデスを見る
名前は
チビウルフデス
どうやらウルフリーダーデスの子供のようだ
ウルフリーダーデスを守るように目の前に立ちふさがり毛を逆立てながら威嚇する
彼方【これを斬れと・・・流石に無理なんだけど】
リル【じゃあどうするの?このまま放っておいても傷が癒えたらまた群れになって街の人達とかに迷惑かけるかもよ?】
彼方【んー、ならこうしよう】
そう言いうと彼方は二匹のチビウルフデスの前に行きかがむ
そしてウルフリーダーデスの方を見ながら口を開く
彼方【こっちの言葉わかるかどうかは知らんが、これからは街の人を襲わない、迷惑をかけないって約束出来るか?出来るなら見逃してやる】
するとウルフリーダーデスの名前がウルフリーダー約束するデスにかわる
彼方【名前で会話するなっての、いやまぁわかりやすくていいけどもさ、じゃあリル回復頼んだ】
リル【そこは自分でするところじゃないの?】
彼方【何を隠そう魔法は1つも使えない体だからな!】
自慢気に胸を張る彼方
リル【知ってるし知ってたけどね】
一刀両断、彼方にクリティカルヒット
リルはゆっくり近付くとウルフリーダーデスへ回復魔法をかけてやる
傷は癒え体力が半分程回復したところでゆっくり起き上がるウルフリーダー歓喜デス
二匹のチビウルフデスも親にすりより喜びの表情を見せる
そんな光景を微笑ましく二人は眺めているのだった