第五章16ページ
ネル【んー、どこかに弱点があるはずなんだけど】
腹以外まともにダメージの入らないロボット、更には近づけばほぼ確実に薙ぎ払われて死体の山が出来る
そんな相手だが基本的にゲームの敵は倒せるようになっているもので、ボスキャラともなれば弱点は必ずと言っていいほど存在するものだ
タナ【やっぱり隠れてるとかでしょうか?】
グラント【可能性は高いな、何かの行動のときだけ現れる可能性はある】
更に弱点は隠されていたり、なにかの行動の後、例えば強烈な攻撃の後などに露出したりすることが多い
ポン太【なら今は避ける時?】
タナ【あ、おかえりなさい、帰らぬ人となってしまうのであったとか言われてたから戻ってこないのかと】
ポン太【普通に生き返ったで】
ギリー【とりあえず攻撃は控えてなるべく回避と防御に専念、遠距離攻撃でダメージが通りそうな場所を探すぐらいか】
ギリーの考えにナナが反応を示す
ナナ【ならば私の出番ですね!】
ハイアット【あぁん?科学者の癖に対して援護もしねぇ上に近接攻撃しか出来ねぇお前がなにを出来るってんだよ?後衛職ならそれらしく動きやがれ!】
一緒のギルドにいた時もまともに科学者としての能力使っていた試しもなければ常に前衛前線で戦っては迷惑かけていたナナの発言にイラッとしたハイアットは地雷を踏みぬく
ナナ【あ?なんだてめぇぶっ殺すぞ、てめぇごときが俺のスタイルに口出しすんじゃねぇよ!自由に遊べるのがこのゲームの良いところだろうが!後衛職が前衛で戦って何が悪いんだ?援護しなきゃいけねぇ決まりでもあんのかよ?人の行動制限できるほどてめぇはえれぇのか?あぁん?だいたいてめぇがさっきいってたろうがよ、人のプレイスタイルは自由だってよ!】
ハイアットの言葉が終わるや否やブチギレたナナの言葉の刃がハイアットを貫いた
それもそうだ、先程自分でプレイスタイルの自由をうたっていたのだから
ハイアット【え・・・あ・・その・・・ごめんなさい】
急に雰囲気がかわったナナの言葉使い、迫力に気圧され
先程までの威勢はどこにいったのやら
自分のキャラも忘れて素直に謝ってしまう
しかし、自由を特に重視するこのゲーム、そういうキャッチフレーズを使っているこの世界においては特にナナの言葉は間違ってはいない
もちろんどんな世界でも他人の遊び方を否定するのはご法度だ
ナナ【わかりゃぁいいんだよ、二度とすんじゃねぇぞ!】
ナナはそう言い切るとハイアットから離れていく
タナ【あそこまで言われると自分達も同じことしてないか心配にはなりますよね】
ネル【気をつけてはいるけども心配にはなるね】
ナナ【先輩達は私がどんな突拍子もない事しても最後に笑って許してくれるし受け入れてくれるじゃないですか、だから私は先輩達と一緒に遊ぶの好きなんですよ♪】
もはや変わり身レベルではない、先程のぶちギレナナはそこにはいなかった