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06 ふにゃー
『ふにゃー』
赤みのさした頬のメイドは、緊張感という概念そのものが消滅したような様だった。
メイド「ふぁー」
主人「……」
メイド「あふぅ……」
主人「……」
メイド「ふにゃー」
仕事にならないかもしれない。
主人「その締まりのない顔を今すぐ戻せ」
メイド「無理ですー。お風呂に入るとなんか、ふわふわしてとっても気持ちよくなっちゃうんです」
なんか気持ち良くなられては困る。
メイド「ご主人が困るのは困ります。えいっ、しっかりしなきゃです」
ぺしぺし。
林檎の様な頬を自分で打つメイド。
しかし、
メイド「ふにゃー……」
無駄のようだった。