1/13
01 場所
町の中にある大きくて立派な屋敷の中。
そこに住むご主人様と、一人の小さなメイドの少女の、何でもない一日のお話。
はじまりはじまり。
『場所』
朝。
それは部屋で起きた時の事だった。
屋敷の主がベッドで目を開けたら、メイドが寝ていた。
どこに? 上にだ。主人の。
主人「重い、どけ」
ぺしっ
メイド「はぅっ」
ごろごろ
メイド「落とすなんてひどいですー」
主人「主人の布団の上に乗って寝る奴がどこにいる」
そのメイド。
職務中にただ居眠りするだけならともかく、寝る場所が場所だった。