『うっすらと苔』
茶の湯では お庭を愛でるのぉも大切なお作法。
歴代の御当主が、一番 気をつかって育てるんが
『苔』
もし、人に苔が生えるとしたら
どんくらいの年月が必要なんやろな~
ポーンと、まだ露をふくんだ静寂の中
日の出とともに音をたてて
咲くという蓮の花。
幼い頃、爺ちゃんが
ウチの手習いが上達するように
蓮の露 集めに行ってくれはったね、
その、爺ちゃんもいまは、
御釈迦さんの
お屋敷の蓮池の住人にならはった、
婆ちゃんは、辛いこともみーんな
神さまにお預けになって、
子どもに戻らはった、
”呆けは最後の神さまからの贈り物”
云うもんね。
そうやね~
それでええんやね、
ばあちゃん
みんな行く道、帰る道。
ゆっくりいきやぁ~
苔になったつもりで生きる。