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ガヤガヤとうるさい教室。
耳をつんざくようなセミの声。
パタパタと廊下を駆けはしゃぐ学生の声。
やけにでけぇ男。
「好きです、付き合ってください」
野球部主将のモブ君。お疲れさん。そして、
「ごめんなさい」
彼は苦虫を潰したような顔を誤魔化そうと笑ったがやはり、ダメだったようで。
少し目が赤くなっていた。
彼はカッコ良いが私は彼のことを何も知らないし、知ろうとも思わない。
「あ、成瀬ちゃーん。おはよ」
「おはよ」
適当に挨拶してきた女子をするりと交わし、急いで数学準備室に行く。
成績優秀、運動巧者、だからなんだ。
私は階段を一段飛ばしで駆け登り勢いよく数学準備室のドアを開けた。
そこにいたのは教師のくせに膝の上に女子生徒を座らせ、いちゃついてる二人だった。
なんど注意すればいいのやら...。
「ここは学校です」
しかも数学準備室です。今日は暑いです。溶ける日です。
「うっぜ~。クソババアが」
「こーら。そんなこと言っちゃダメ」
「だって、彼奴が...」
私が何だよ!
言いたいことあんならハッキリ言えよ。
私は若干苛つきながらも女を追い出すことに成功した。
ぜーぜーと息を吐きながらキッと数学教師...璃玖孝晴を睨む。
が、ムニュと璃玖に顔を掴まれる。
か、顔は女の命じゃこのおおぉ!
「なにその顔。ブッス」
気付けは私は思いっきり璃玖の顔を殴っていた。
グーで。
.......テヘペロ。
のポーズをして私はその場を去った。
あーあ、後でお仕置きされるわー。