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天の邪鬼
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_____どうせなら...
どうせなら、そっとしておいてよ。
君と距離が縮む度胸がギュッと締め付けられてどうしようもなくなる。
幼馴染みなんてベタすぎて、それでも君が好きなんだ。
何事にも一生懸命で努力して最後には報われて、恋をして、笑って。
人気者な君は私のことなんてただのお荷物。
高校ではもう、君とは関わらない。別の道を歩むつもりだったのに...
「おはよう、成瀬!」
君は今日も絵に描いたような笑顔を私に向けてくる。
あぁ、また、まただ。胸の奥がキュッと疼いた。
気付きたくないのに、気付きたくなかったのに。
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