)心を操るマインドコントロール
ふと、隣のベッドに目をやるとアーサーの姿は見る見る鳥の姿から人間の男の子の姿に変わった。
刺さった杭も無くなり表情も柔らかくなっていいた。
「禁止魔法を使うと石が少しづつ無くなるんだ。・・・・」
「うっっうっ・・・。どこだ??ここ?」
「アーサーさん??」
「えっ?なんで俺の名前知ってんの?」
「いやっそれは。。」
「あっ!!!緑じゃん!おい!大丈夫か!!?」
アーサーは倒れてピクリともしない緑にかけよった。
「さては、おまえがやったのか??」
アーサーの目はつりあがり赤い髪を逆立ててこっちをにらみつけている。
「ちっ違います!!!緑があなたの傷を魔石で治して、、、」
「それは、本当か?!」
「嘘はつかないよ」
その後、二階に緑を寝かした。
「どうだ、緑の様子は??」
「大丈夫みたい、アーサーから貰った薬がよく効いている」
「そっか。。さっきは悪かったな、疑ってしまって・・・」
「いいよ、いいよ分かってもらえれば。。」
「ありがとう」
「それにしても、アーサーの傷見事に完治してるね」
「あぁ、そうなんだよ。本来魔法で傷を治すのは最大の禁止魔法なんだよ・・
しっているよな?」
「はい」
「でも、緑は自分の魔石を使ってまで俺の傷を治してくれた・・・
禁止魔法を使うと魔石がかけるのに・・」
「じゃあ魔石がなくなったらどうなるの??」
「消えて無くなる。。消滅するんだ」
「消滅。。」
「あぁでも大丈夫だよ・・かけたくらいだったら」
「うん、そう言えばアーサーも魔石持っているの??」
「あぁ持っているよ。魔石は魔法使い、魔術師にとって命のようなものだからな」
「見せてください!!」
「いいよ」
アーサーは緑と同じように胸に手を当てて目をとじ呪文を唱えると手を胸から離した。
赤い光がパァと光る。。
「これ、俺の魔石、」
「赤いんですね。とてもきれい」
「そうかな・・」
アーサーは照れた。。
「この魔石は無くなったら消滅=死だからな心臓だと言ってもいいかな」
「大切なものなんですね。とても」
「そう。だから魔石を使うと言うことは大変な事なんだ」
アーサーはそう言うと赤い魔石をスゥと体に直した。
ガタッ・・
二階から大きな音がした。。
「何??」
麻美はアーサーの後ろに隠れた・・・。
「ハァハァ・・・アーサー大丈夫??」
緑だ。
「おい!!寝てないとダメじゃないか!!!」
アーサーは立ち上がり緑のそばに駆け寄った。。
「元気そうね、よかった・・」
「あぁ元気さ」
「アーサー・・サスケが研究所につれてかれたの。!」
「なんだって!!サスケが??」
「そうよ。また酷い実験を試されているんだわ」
「君の変わりに俺が行く、だから緑はゆっくりやすんで・・・・」
「いやよ!!!」
「だってお前そんな体じゃ行けないだろう・・・!?」
「待って。。」
緑は目を閉じた。
「木の芽草の芽よ私に力を。。」
そう言うと緑の表情は柔らかくなった。。
「行くよ!!私はもう大丈夫!!」
「何が起こったの??」
麻美が聞く。
「治癒だよ」
「治癒??って傷を治す魔法なんじゃ・・」
「血が出ていれば私には治せる範囲が決まられたくるけど血が出てない場合はほとんど
私の能力で治せるわ、、」
「治せる範囲って???」
「例えばさっきのアーサーの血、、あれは、血の出た範囲が20×20、40cm2を超えてしまうと私には治せなくなるの。」
「そうなんだ。。だからアーサーの傷、治せなかったんだ・・・」
「うん」
「そんなことよりサスケのところに急ごうよ!」アーサーが言った。。
「そうね」
3人は外へ飛び出した。。
「そう言えばアーサーはなんで私の家で倒れていたの??」
「あぁ。。戦争さ」
「戦争?・・・まさか・・」
「戦争?って何?何のこと?」
麻美が聞く。。
「私、麻美に話したことあるわよね?白界と黒界が戦争してて境界が出来たって・・」
「うん」
「それ、今も続いているのよ・・」
「戦争が??」
「そうよ、それに昔の戦争と違って科学と色々な技術が進歩しているからね。。
昔より派手なんだよね。。」
「実は俺も戦地へ行ってきたばかりなんだ・・だけど大きな杭の雨が降ってきて、、気がついた時には緑の家の中に居たんだ。。」
「だからあんな血を??」
「今はね色々な技術が発達した白界は黒界を押さえつけようとして昔捕らえた黒魔術師を実験材料として研究、実験がされているのよ・・」
「どんな実験??」
「簡単に言えば一人の魔術師の自我を破壊してあらゆる記憶と人格を思いのまま操る
心を操る魔法 心呪術と言う呪いをかけるものよ。
この実験を成功させるために黒魔術師を使って実験がされているってわけ・・・」
「・・・それをサスケが。。」
「えぇ、マインドコントロールの他にも色々とね」
「そうだったんだ、、」
「サスケは黒魔術師だったの・・知っているわよね??」
「うん」
静かにうなづく
「今から6年前、ある日俺たちは戦争に狩り出されたんだ。。」
「私、10歳、アーサー10歳だった。」
「小さい頃から黒魔術師は敵だと思っていた。。学校でそう習ったからだ・・
だけど、奴は違っていた。。」
「サスケの事ね?」
「そう、そして、私たちは10歳で戦争に狩り出された後辛い練習の日々に反抗して牢屋に閉じ込められたの。。
食事も水も出ない地獄のような毎日が続いたわ、もぅダメかと覚悟を決めた時だった」
「「おい大丈夫か?」って小さな声が聞こえたんだ。。それがサスケだった」
「サスケは小さなクッキー3枚と赤いりんご1つを差し出してくれた。
私たちは夢中で食べたわ。サスケが黒だって言う事も忘れてね。食べ終わってから
気づいたんだけどサスケも首と手首に鋼の鎖を携えていたの、サスケも捕まっていたのね」
「その後もサスケは色々持ってきてくれた。。
そして次第に俺たちはサスケについていこう黒魔術師は敵じゃないと思った。。」
「だから、私たちはサスケを助けに行くの!」
緑は真剣な顔で言った。
「俺も同じだ」
「私も行くわ、、!」麻美が言う。
「おぅ!じゃあ行くか!!」
アーサーは呪文を唱え始めた。。
「アーサー?」麻美が言う。
「まぁ見てなさいよ」緑は腕を組みながら麻美に言う。
すると、アーサーの体がムクムクと大きくなり麻美の体長の3倍はある大きな青色の鳥に
姿を変えた。
「ピィィィーーー」
アーサーが叫ぶ。
「なんて言ってるの?」
「乗れって言ってるのよ」緑が言う。
「分かった」
麻美はアーサーの大きな翼を手でつかむと勢いをつけて飛び乗った。
「ピピィィィー」
アーサーは翼をはためかせた。
「今なんて言ったの??」
「行くよって、」
アーサーの体が斜めに傾くと背中に乗った2人は振り落とされそうになった。
「おっ落ちる!!!」
「大丈夫よ!!しっかり羽につかまって!!」
緑が麻美の手を握って風の強い空を見る。
アーサーは一気に急上昇した。
「すごい、スピード!!」
だんだん麻美たちのいた森が小さくなっていく。
「ピィィー」
「もう大丈夫だって!!」緑が言う。
「本当?」
目をつぶっていた麻美は目をあける。
「うわぁぁぁ、空広いねぇ気持ちいい!!」
頬にあたる風がほんのり温かく眠気を誘う。
すると、だんだん空の色が重い灰色になってきた。