魔術師メイリーンとカラーボトル
「私、この世界の事良くらないんだ。緑ちゃん色々教えてね」
「いいよ」
校門を出ると歩きながら緑はこの世界の事を話し始めた。
「かつてこの国はひとつだった。 かつて2つの国に境界はなかった」
「それはどういうこと??」
麻美が尋ねる。
「伝説の魔術師メイリーンの命ゼリフよ
この魔法界には白界と黒界の2つが入り混じった世界でね。
でも、かつてはこの国に境界はなく仲良い世界だったの。」
「きっかけは??・・境界が2つになったきっかけは?」
麻美が聞いた。
すると、しばらく間をおいてから緑がしゃべり始めた。
「カラーボトルよ」
「カラーボトル??何?それ」
「この世界に1つだけあるどんな願いをも叶えてしまう魔法のボトル」
「魔法のボトル・・・」
「私もおばあちゃんから聞いて知ってるんだけど
そのカラーボトルの中には大きな赤い金魚が入ってるんだって。。」
「金魚?」
「そう、当時この世界でけんかになったもとはそのカラーボトルなの」
「願いを叶えてもらおうとしたの?」
「いいえ。目的は中に入っている金魚よ。
この金魚のウロコを煎じて飲むと不老不死の体が手に入ると言われているらしいわ」
「不老不死・・・」
「で、カラーボトルをめぐって戦争が始まった。
そして今も。。」
「そっか、ここに来たとき見たあの灰色の空があったのは黒界だったのね。」
「多分そうね。今いる白界は1年中春の天気と青い空が広がっているけど
黒界は1年中寒くて真っ暗な世界だからね」
「そっか、だからサスケはコートを着ていたんだ。。」
そう、話し合っている間にハリー図書館に着いた。
ゴシック様式のレンガ造りの建物でかなり古そうだ。
真っ白のきれいな階段を上っていくと玄関先に「ようこそ」と書かれたプレートが置いてあった。
中に入ると天井近くまで本が揃えてあり本棚のいたるところに脚立が寄せてあった。
「大きな図書館だね」
麻美が言うと重ねるように緑が言った。
「私立図書館だからね。私も初めて来たわ」
あまりの大きさにアゼンと立ち尽くす2人。
麻美の肩にかけたバッグがづり落ちると2人ともスイッチが入ったように中に入る。
「いっ行こうか・・・」
緑が言った。
「それより麻美はサスケの何を調べようとしているの?」
緑が聞く。
「サスケの能力の大きさが知りたいの」
耳元で小声で言った。
「能力の大きさ?」
緑が麻美を見て聞きなおした。
「ええ、魔力の大きさを調べるには魔術を使うことが最もとされていることは知っているよね?」
「変換でしょ?」
「そう、あの時サスケは私の赤い水筒を使って演術したの」
「何に?」
「マッチよ」
麻美は緑にこの世界に来たときの事、マンホールに入ったときの事、サスケがマリに怯えていたことなど全て話した。
「そんな事があったんだ、、」
2人は変換について調べる事にした。
背丈の3倍ほどある大きな本棚にもたれてぶ厚いホコリだらけの本を開いて「変換」について
調べていると小さなかすれ声で緑が言った。
「あった!これじゃない?!「変換」の演術条件って書いてある!!」
「どれどれ・・・」
麻美は横から盗み見すると緑は麻美を気遣い小さな声で本を読み始めた。