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影が動く「影写」の術

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アドバイスや意見、感想などなんでも

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黒い空が明るくなってきた。

黒い空が小さくなってきた。

 


青、、


大きな空


「サスケは??」麻美が言う。


アーサーの大きな背中の中マリアはサスケを見ていた。


「分からない。意識はないわ」

ウェーブのかかった長い髪を耳にかけながら言う。



大きな青い空


純白の雲に瑠璃色の青い空


いつの間にか白界に入っているようだ。


「アーサー!私の森に行って!!」

向こうの方に緑の森が見えてきた。


「ぴぴぴぃぃ」


森の真下まで来るとアーサーは地面に吹き飛ばしをかけた。

次第に地面が見えてきた。


アーサーの脚がズシッと地面に着くとみんなは一斉に飛び降りた。


「ピュィ」


皆が降りたのを確認するとアーサーは金色(こんじき)の光に包まれた。


一瞬だった。

次の瞬間はもう人間の姿に変わっていた。


アーサーは緑の家に向かう皆を追い越して玄関に向かった。

 

「オレ、玄関の戸開けるわ」


「ありがとう」

サスケを負ぶったマリアが言う。


玄関を開けてマリアの先に入ったのは緑と麻美だった。


「私ベッドの準備してくるねッ!」

 緑が言う。


緑は2階の寝室に急ぐ。


「私はご飯の準備するっ!・・アーサーも後で台所に来てね」


「おっおう」


アーサーは玄関の戸が閉まらないように持ちながら返事した。


その間マリアは負ぶったサスケと中に入った。


玄関マットを踏んで2階へと続く階段を上って行く。


相変わらずサスケの意識は無い。


「ここに寝かせてください」


部屋に着いたマリアは緑の言うようにサスケを寝かした。


と同時にマリアは近くにあったイスに座り込む。。


「疲れましたか、、マリアさん・??」サスケに布団をかけながら聞く。



「まぁね。1週間実験所に張り込んでいたからね、でもサスケに会えて本当に良かった。」



「そうですね、、でも、意識が。。」


「そうなのよね」

 

小さな寝室のカーテンがヒラリとなびく、

3人の居る部屋をほんのちょっと涼しくした。

  寝ているサスケのキャラメル色の髪がゆっくりなびく。





ドンドンドンドン・・・・・


下から誰かが上ってくる音が聞こえた。


その音はどんどん大きくなってくる。


寝室の扉が開くと、黄色い鍋の底に真っ黒になった物体が2人の目に飛び込んできた。


鍋のあとから2人の顔が・・・


「ゴメン緑・・カレー作ろうと思ったんだけどさ、、

   アーサーがちゃんと火見てなくて、焦がしちゃった・・・」


「オレのせいかよッ!!!あれはお前が悪いんだろうーがよ!」


「私はにんじん切っていたんだもん!! アーサーが一番近くにいたのに

   見てないから悪いんだよッ!!」


「いやいやいや・・お前にも責任あるとおもうけどな!!」

 

 

「いいわよ鍋ぐらい!!」

緑が言う。


喧嘩(けんか)していた2人は緑の声を聞いて泣いているマリアの方に

   目をやった。


「サスケ、、、」

アーサーが言う。


「サスケ・・・」麻美はサスケに駆け寄る。


ベッドの近くに膝をつきサスケの手を握った。


「??????」

麻美は驚いた。





    

    手




   黒い手袋




    握る






    「冷たい」







麻美はとっさにサスケのおでこを触った。


「氷みたい、、なんで?!サスケ・・死んでいるの??」



「死んでいないわ」マリアが下を向きながら言う。


「じゃあどうして・・?」


部屋の入り口に立っていたアーサーが麻美に近づく。

こげた黄色い鍋を窓辺のチェストに置いて。


「こっち来いよ」


アーサーは呆然とする麻美の手を引く。


寝ているサスケの布団をめくってコートの下を指指した。


「ここ」


「何?」


アーサーは麻美の手をサスケの胸の上に置いた。



「これで分かるだろう?」


「えっ?!」


麻美は最初はアーサーが何を言っているのか分からなかった。

だが、すぐに分かった。



「音が・・・しない」


「呪術実験の時、心臓・・抜かれている見たいなのよ、、

   実験の副作用がでないようにって・・・・ハハハ」


マリアが気力なさげな声で言った。


「これが呪術実験の力なのよ。身も心もサスケは・・・」


怒り狂った声で緑は泣きながら言った。


麻美も目に涙をためてサスケに布団をかぶせた。



うぅ・・・



「大丈夫だよ姉ぇさん・・」

サスケはうっすら目を開け喋った。



「サスケッ!!!大丈夫??」

マリアがサスケの顔を覗きこむ。


同時に麻美とアーサー、緑が駆け寄る。


「暑い・・・もう大丈夫」


「本当によかった。。」



「そんな事より姉ぇさん・・外」


「えぇ、来ているみたいね・・あなたを狙っているの??」


「多分ね」


そう言うとサスケは立ち上がり壁にかかった大きな包みを背中に背負って立ち上がった。



「サスケ??どこ行くの?」

緑が聞く。



「大丈夫、、すぐ片付けてくるから。

        目が焼けるから4分外見るのやめてもらえる??」


「分かったわ。」

  マリアが言うとカーテンと窓を閉めた。


「ありがとう」

そう言うとサスケは部屋を出て行った。


「なぜ、外を見ると目が焼けちゃうんですか??」

 麻美が聞く。


「ここは白界。サスケのように魔力が広大で使える術も多彩ならば私たちの

 身体に大きく影響を与えるものも無いわけではないのよ。

 その身体に影響を与える魔術の事を【白界の禁止魔法】と呼ばれているの

今、サスケが使おうとしている魔術はまさに【白界の禁止魔法】なのよ」


ゴクリと唾を飲む。


「でもさ、見るなって言われると見たくなるよね」

緑がニヤリと笑った。


「それはそうだけど、私、目が焼けるのいやだな〜」

 麻美が言う。


「そんなのただの名神だよ、ちょっとならいいんじゃない??」


「ダメだよ!!」


「いいじゃん気になるじゃん!ねっマリアさん!!」


「えっええっ!?」




              全員が賛成した。




カーテンのすきまからそーっと覗く。

眩しい光が見えた。


「目が焼けるっ!!!」


「オレに任して下さい!!」

アーサーは片手を外に向けてかざした。


「「光壁(バリアー)」」

アーサーは目に入ってくる光を遮った。


「ありがとうアーサー」麻美を最初に緑、マリアがアーサーにお礼を言う。


「いや〜これくらい何でも!」

アーサーは若干照れ気味だった。


「ねぇみて。サスケだわ」


「光壁」の中から外を見るとサスケがなにやら追っ払っているように 

  術を使っているのが見えた。」


「サスケを迎えに来たんだわ」


「えっ?!」



 空に浮かんでいるのはUFОのような物体だった。

   結構な数だ。


「迎えに来たって実験所からですか??」


「そうだと思う。」


しかし、外に居るサスケはいたって冷静だった。


その時、UFОから赤色の光線(ビーム)がサスケを直撃した。

サスケは、バタリと倒れる。


「サスケッッ!!!」麻美が叫ぶ。


「大丈夫よ。見てごらん」


麻美は鼻をすすりながら、外を覗くとサスケは目をちゃんと開けていた。

真剣そうだ。


時間がたつのを待っているかのように・・・。


「サスケ、何をしようとしているのかな??」


すると、今まで宙を舞っていたUFОが地上に降りてきた。

サスケは、ピクリとも動かない。



半分以上宙に居るUFОから太い鎖がサスケを巻きつけた。


「大丈夫じゃないじゃない?!サスケが連れて行かれようとしているんだよ??」


「サスケ〜〜!!」

皆、思いもよらぬ展開に呆然と空を見上げた。


鎖に縛られたサスケは、黒い空のかなたへと連れて行かれた。

見えるサスケがだんだん小さくなっていいく・・・・・。


「姉ぇさん」


「サスケ??」


マリアが呼ばれる声に振り向くと、かなたへと連れて行かれたはずのサスケが

ベッドに座っていた。


「何言っているんですかマリアさん!!サスケは空のかなたに連れて行かれたんですよ??

 現に今あそこにいるじゃないですか?!ってあれ・・・?」


「サスケが2人??」


全員が混乱した。


「あれほど見ないでよって言ったのに・・。」


「サスケ??なんで2人?!」麻美が聞く。



「あぁ。あれか・・」

サスケは不思議そうに空を見ながら言う麻美やアーサーを可笑しく思いながら言う。


「ほら、僕の足元」


サスケの言う通り皆はサスケの足元に目をやった。


カーテンの隙間(すきま)から夕日の光がキラリと差し込んだ。


「眩しッ!!」

麻美が言う。


サスケ以外の誰にも黒く細長い影ができた。

それは、常識。当然のことだ。


     

      だが・・・・


にやりと笑いながら立ち上がったサスケを見るとあるはずの影が無かった。



「「影写(えいしゃ)」って言う魔術でね。本当に演術時に発生する光で目が焼けてしまう

 魔法なんだ。

    僕の方を見ている事に早く気づいて良かったよ」


「ごめんなさい・・・私も調子に乗って。。」

  マリアが謝る。


「オレも・・」


「私も・・」


「ごめんなさい」


「特に「影写」は魔界でも恐れられている3大魔法の一つだしね。」


「3大魔法って??」


「影を自分の分身にして動かす事のできる魔法【影写】

 

 何もかもの時間を瞬時に止められる呪い魔法【時永止術(ときえいしじゅつ)


そのものの自我を破壊して心を意のままに操る呪い魔法【心術(マインドコントロール)

 

この3つが魔界で禁止されている魔法なの」 マリアが言う。


「でも、サスケは、さっき「影写」を使ったよね?それっていけない事なんじゃ・・・」


「大丈夫よ。魔界で・・なんて言う大げさな名称が付いているけどこれは、全て白界

  で禁止されている魔法だもの。

    サスケは黒魔術師、影響あるのはむしろ私たちの方なんだから!」


「でも、今度から気をつけてくれよな。。本当危ないんだからさ」


「うん」


「でもさ、「影写」ってなんで禁止魔法なんですか??私にはそうは思いませんけど・・」

緑がマリアに聞いた。


「影ってその物があるから出来る物でしょ?影が無くなったら、その物は最初から無い

って事になるじゃない?結果、消えちゃうんだよね・・」


「所要時間は1時間、それまでに自分の影を戻さないと消えてしまうんだ。

   当時はこの魔術を許可されていた時代もあったらしいが、

 所要時間を守る事が出来なかった人が多く、禁止されたんだ。」

 アーサーが言う。


「へ〜〜」


その時ガチャッと部屋の扉が大きく開いた。

皆がそちらを見る。


「お帰り、ごくろうだったね」

サスケは静かに言う。


そこには真っ黒のサスケが立っていた。


「影だよ」

緑が言う。


黒いサスケはサスケの後ろにつくとさっきまで無かったサスケの影が出来た。


「さっ早くここから出よう、僕が影だったことをそろそろ気づかれているはずだ。

    君たちの命も危ない。


「そうね、行きましょ!!」マリアが言う。


「わかった!!」


「そうと決まれば急がなきゃ」


皆は、家中の必要だと思うものを集めに向かった。





空はすっかり深い深い藍色になっていた。

 カラスは鳴くのを止め、金色の星と黄金色の月が辺りを明るく照らした頃だった。




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