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震災以降の萌え

2010年の学友との論争から2011年の東日本大震災を経て、2012年に大学を卒業。

春から一人暮らしを始め、社会人として忙しい日々を過ごしていた。

この時、ようやく「週一のお酒のつまみ」的なアニメの見方を始めるのである。

すると以前は見るのも辛かった萌えアニメが楽しくなり、逆にストーリー性のある難解な作品に手を出しにくくなってしまったのだ。

学生のモラトリアムの時期は余裕があったが、社会人になると時間的にも精神的にも余裕が無くなるため、何も考えず眺められる萌えアニメに癒しを求めていたかもしれない。


また、アニメ業界も震災以後、萌えの押し売りからの転換とも見られる動きが出始めた。

「魔法少女まどかマギカ」(2011年)や「がっこうぐらし」(2015年)など単純な日常系アニメの範疇に収まらないテーマ性の持った萌えアニメが生まれてきたのである。

昨年のヒット作「君の名は」「この世界の片隅に」や、今年の話題作「けものフレンズ」もこうした動きを象徴している。

「進撃の巨人」(2013年)が新時代の王道ストーリーと言われ、「機動戦士ガンダムUC」(2010年~)や「宇宙戦艦ヤマト2119」(2012年)など旧作のリバイブルも始まり、富野監督が訴えていた「萌えの次を考えなければならない」という主張は震災を経てようやく動き出したよう見える。


つまり自分自身の環境の変化と業界の路線変更によって、ズレていた趣向が少しずつ互いに歩み寄る形になったのである。


一方、7年前あれほどエロを毛嫌いしていた萌え原理主義者の友人は今度エロ同人を描くと言う。

その心境の変化、真意を伺い知ることはできないが、懐古厨が萌えを受け入れたように、やはり萌えとエロの親和性もまた認めざるを得ないのではないか?

でなければ、これを逆手にとったとも言える

「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」(2015年)

「エロマンガ先生」(2017年)というタイトルで地上波放送するわけがないのである。

2010年の青少年保護育成条例改正は規制強化どころか、

世論の反発を背景にかえって吹っ切れたエロ表現を呼び起こしたと言えるのではないか?


懐古厨が萌えを受け入れた気持ちの変化、「萌え絵」や平井絵に対して感じた違和感、そして萌えに侵食するエロをどのように説明するか?

サブカルチャーの歴史を追う事によって萌えの正体と今後を考えてみたい。

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