序文
中1という多感な時期に「ファーストガンダム」にハマり、リアルタイムで放送していた「SEED」を無視して、「イデオン」や「ダンバイン」などの富野作品や「ボトムズ」「マクロス」など80年代のロボットアニメを見続けたことで、「ゆとり世代」にして「懐古厨」になった私(筆者)は萌えアニメをひどく嫌悪していた。
大学でアニメーションを勉強するようになった7年前の2010年、「オタク受けを狙ったパンツアニメばっか」というブログ上の発言から萌えオタクの学友と口喧嘩に近い論争に発展した。
萌えさせることを目的とする「萌えアニメ」の演出自体に嫌悪を示し、「お色気演出」もそれに内包されているとして「パンツアニメ」と表現したが、彼は「萌えとエロ」を混同した事に腹を立てたようだった。
意見の隔たりはありながらも過度なお色気路線に走る現状の萌えアニメに対する苦言は共通の認識だった。
そして現在、懐古厨だった自分はすっかり角が取れ、萌えアニメを楽しみ、あれだけエロを毛嫌いしていた萌え原理主義の友人は今度エロ同人を描くらしい。
「一体萌えとは何なのか?」
サブカルチャーの歴史を紐解きながら、その正体に迫ってみる。